下條村立図書館

下條村立図書館について

下條村立図書館は、長野県下條村の多目的施設「あしたむらんど下條」内に1995年（平成7年）に開館しました。この図書館は、村民の生涯学習へのニーズに応えるために建設され、開館以来、地域住民にとって重要な情報と文化の発信拠点となっています。

開館までの経緯

図書館の設立は、1992年（平成4年）に初当選した伊藤喜平村長の「若者定住」という公約に基づいています。村内全戸を対象とした生涯学習に関するアンケートで「村に図書館を」という要望が最も多かったことを受け、1993年（平成5年）に図書館建設が計画されました。建設にあたっては、立地条件、施設の充実、職員の確保が重要視され、県内外の先進図書館の事例を参考に、村民が利用しやすい図書館を目指しました。当初、一部の村民からは「職員は1人で十分」「本を並べる棚があれば資料費は不要」といった意見もありましたが、司書が丁寧に説明を重ね、理解を得ていきました。

1995年（平成7年）3月には、施設の愛称が「あしたむらんど下條」に決定し、同年7月7日に図書館は開館しました。開館初年度には、人口一人当たりの貸出冊数が長野県内で1位を獲得し、蔵書数は24,000冊でした。図書館では、利用者の要望に応じた資料収集と、利用者の期待に応えることを基本方針とし、「おたのしみ会」や「おはなし会」などのイベントを開催し、としょかんだよりを発行するなど、積極的な活動を展開しています。人口1人当たりの貸出冊数は、1997年（平成9年）まで県内1位を維持し、その後も高い水準を保っています。

郷土資料の特徴

下條村立図書館は、長野県、特に飯田・下伊那地域、そして下條村に関する資料を豊富に所蔵しています。具体的には、伊藤喜平村政に関する資料、下條村出身のタレントである峰竜太に関する資料、そして地域戦隊カッセイカマンのコレクションなどを有しています。

イベント

図書館では、開館20周年を記念した「薮内正幸 絵本（動物画）原画展」や、薮内正幸美術館館長である薮内竜太氏による講演会を開催しました。また、「開館20周年記念日おめでとうフェア」としてブックカフェがオープンし、開館記念日には飲み物の無料サービスが実施されました。さらに、下條村の村無形民俗文化財である下條歌舞伎の見学会や、落語教室「土曜笑学校（しょうがっこう）」の発表会など、地域と連携したイベントを数多く開催しています。

一日図書館長

毎年、開館記念日である7月7日前後に、住民が「一日図書館長」として図書館業務を体験するイベントを開催しています。この取り組みは、図書館に対する理解を深め、図書館の活動を地域に広めることを目的としています。2014年（平成26年）には、利用者代表や小中学校のPTA役員、図書委員らが一日館長となり、図書館の解説を受けたり、貸出・返却業務を体験しました。


下條村立図書館は、地域住民の学習と文化活動を支える重要な施設として、今後もその役割を担っていくことでしょう。

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