下灘駅

日本一海に近い駅？　ノスタルジックな無人駅、下灘駅

愛媛県伊予市双海町大久保に位置する下灘駅は、JR予讃線、通称「愛ある伊予灘線」の駅として、その美しい景観で知られています。駅のホームからは伊予灘が一望でき、鉄道写真の撮影スポットとして、また近年ではSNS映えする場所として多くの人々が訪れます。

海と空に溶け込む絶景

下灘駅は、かつてホームのすぐ下に波が打ち寄せるほど海に近く、「日本一海に近い駅」として知られていました。国道378号の開通により、以前ほどの近さではありませんが、その美しい風景は今も変わらず、訪れる人々を魅了し続けています。

夕暮れ時には、ホームから眺める夕日が伊予灘を茜色に染め上げ、息をのむほどの絶景が広がります。時間や季節によって異なる表情を見せる海と空のコントラストは、訪れるたびに新しい感動を与えてくれるでしょう。

歴史

1935年（昭和10年）6月9日に国鉄予讃本線の駅として開業した下灘駅。開業当初は終着駅でしたが、その年の10月には伊予長浜駅まで延伸し、途中駅となりました。1986年（昭和61年）に新線が開通すると優等列車は通らなくなり、ひっそりとした駅となりましたが、その美しい風景が口コミで広がり、多くの人々が訪れるようになりました。

駅舎とホーム

開業当初からの木造駅舎は、時を経て趣のある雰囲気を醸し出しています。駅舎内部には待合所のほか、かつて使用されていた出札口が残されており、懐かしい雰囲気を伝えています。ホームは単式1面1線で、かつては島式ホーム1面2線でしたが、新線開業後に撤去されました。ホームの有効長は4両分ありますが、観光列車「伊予灘ものがたり」は2両編成時代の停車位置で停車するため、3号車はホームからはみ出して停車します。

知っておきたい利用情報

下灘駅は簡易委託駅ですが、駅前のたばこ店が休業したため、現在は事実上の無人駅となっています。青春18きっぷのポスターに採用されたことをきっかけに、駅名標が裏表に駅名が書かれたものに変わりました。駅前には駐車場がありますが、台数が少ないため、混雑時には臨時駐車場を利用するか、隣の伊予上灘駅近くの「道の駅ふたみ」に駐車して鉄道を利用するのがおすすめです。

多くの作品の舞台に

下灘駅は、その美しい風景から数多くの映画やドラマ、CMのロケ地として利用されています。

映画『よさこい旅行』
映画『男はつらいよ 寅次郎と殿様』
テレビドラマ『HERO 特別篇』
テレビドラマ『リバース』

また、青春18きっぷのポスターに3度採用されたほか、アニメやゲームの舞台としても登場しています。

訪れる際の注意点

下灘駅は無人駅であり、駅員はいません。切符の購入や観光案内などは、事前に済ませておくようにしましょう。また、駅周辺には飲食店や売店が少ないため、必要なものは事前に用意しておくことをおすすめします。

アクセス

鉄道：JR予讃線 下灘駅下車
車：松山自動車道 伊予ICから約30分

下灘駅は、訪れる人々に癒しと感動を与えてくれる、特別な場所です。ぜひ一度、その美しい風景を体験してみてください。

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