不二製油

不二製油株式会社の概要

不二製油株式会社（Fuji Oil Co., Ltd.）は、日本の大阪府泉佐野市に本社を持つ、食用油脂や様々な食品素材を手掛ける加工会社です。本社の所在地は泉佐野市住吉町で、1990年代からさまざまな健康食品市場への進出を果たしています。特に独自のブランド『soyafarm（ソヤファーム）』は、大豆をベースにした豆乳製品などを展開しています。

事業内容

同社の事業の柱は、油脂事業、製菓・製パン素材事業、および大豆たん白事業です。これらの事業は、グローバルな市場で展開されており、特に技術的な独自性が求められるチョコレート用の油脂は高い評価を得ています。また、大豆ビジネスにおいても多様性豊かで、特長的な製品を提供しています。たとえば、2012年には、独自の技術であるUSS製法（Ultra Soy Separation）を用いて分離された「豆乳クリーム」と「低脂肪豆乳」を発表しました。これは、大豆をリポたん白画分と貯蔵たん白画分に分ける画期的な技術です。

マスカポーネの代替品

1980年代には、ティラミス人気の高まりを受けて、マスカルポーネの代替品として植物性クリームの「マスカポーネ」を開発しました。これにより、ティラミスを大幅にコストダウンし、保存性を高めることに成功しました。マスカポーネの価格は通常のマスカルポーネの3分の1に抑え、保存期間は倍の60日となり、量産が可能となりました。

大豆ルネサンス

不二製油の大豆事業は「大豆ルネサンス」と題し、世界の人口増加に伴う環境変化に対応した持続可能な食料源として大豆の重要性を認識しております。この取り組みでは、技術革新を通して大豆事業の拡大を目指し、特にUSS製法による新たな豆乳分け技術を核にしています。

USS製法

不二製油が開発したUSS製法は、世界初の大豆分離分画技術で、大豆を卵や牛乳のように二つの成分、すなわち『低脂肪豆乳』と『豆乳クリーム』に分けられます。この特許技術により、低カロリーかつ風味豊かな新素材が誕生しました。また、これらの素材は、野菜や果物、和風の出汁とも相性が良いことが知られています。

低脂肪豆乳

「低脂肪豆乳」は、豆乳のカロリーを抑えつつ、大豆脂質による風味劣化を低減する特性があります。起泡性や凝固性に優れ、泡立ててメレンゲとして使用できる新しい代替品です。

豆乳クリーム

「豆乳クリーム」は、卵黄や牛乳における生クリームに相当する特性を持つ、大豆を基にしたクリームです。食材にまろやかさを加えることができ、乳化力が高いため新しい和風のクリームとして注目されています。生クリームにはない旨味が加わることで、新しい用途開発が期待されています。

うにペースト

不二製油では、ウニの代替食品として、植物油と豆乳クリームを組み合わせた「うにペースト」も開発しています。この製品は、ウニの風味を植物性で再現する試みとして、注目を集めています。

沿革

不二製油は1950年に設立され、数十年にわたり日本の食品業界をリードしてきました。1961年には大阪証券取引所に上場し、1973年には第1部市場に指定替えされました。1999年には現在の社屋である阪南事業所に移転し、2015年に持株会社体制に移行しました。現在も、各地に工場を持ち、グローバルに展開を続けております。

不二製油の取り組みは、多様な食品素材を通して、現代の食生活に寄与し続けています。

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