中川俊男

中川俊男

中川俊男（なかがわ としお）は、1951年6月27日生まれの日本の脳神経外科医、医学者であり、第20代日本医師会会長を務めた人物です。学位は医学博士（札幌医科大学大学院・1994年）。現在は、新さっぽろ脳神経外科病院の理事長を務めています。

略歴

1951年 - 北海道旭川市に生まれる。
1964年 - 旭川市立日章小学校卒業
1967年 - 旭川市立常盤中学校卒業
1970年 - 函館ラ・サール高等学校卒業
1977年 - 札幌医科大学医学部卒業。
1988年 - 新さっぽろ脳神経外科病院を開設。
1992年 - 日本脳ドック学会を設立し、幹事・事務局長を歴任。
1994年 - 「無症候性未破裂脳動脈瘤の発見と治療」にて、札幌医科大学大学院より博士（医学）の学位を取得。
2000年 - 札幌医科大学医学部脳神経外科臨床教授に就任。その後、厚生労働省の中央社会保険医療協議会委員、厚生科学審議会委員、社会保障審議会委員を務めた。
2006年 - 日本医師会常任理事。
2010年 - 日本医師会副会長。
2020年 - 日本医師会会長選挙で現職の横倉義武を破り、第20代会長に就任。
2022年5月 - 任期満了に伴う次期日本医師会会長選挙に立候補せず、任期限りで退任。

医師会長としての活動

2020年、中川は日本医師会会長に就任。「国民の健康と命を守るためならどんな圧力にも決して負けない」という強い意志を掲げ、政府に対して積極的に提言を行いました。特に、新型コロナウイルス感染症対策においては、全国的な緊急事態宣言の発令やワクチン接種の前倒しなどを働きかけました。しかし、その一方で、行動制限に関する発言が世論の反発を招いたり、自身の不祥事が発覚したりするなど、批判も少なくありませんでした。

2022年度の診療報酬改定では、医療従事者の待遇改善などを求めて政府と交渉しましたが、結果として診療報酬全体ではマイナス改定となり、リフィル処方箋制度の導入も決定するなど、厳しい結果となりました。

世界的な貢献としては、2022年のロシアによるウクライナ侵攻に対し、ウクライナ国民への医療支援を目的として1億円の寄付を行うなど、リーダーシップを発揮しました。

新型コロナウイルス対策関連の発言

中川は、新型コロナウイルスに対して強い危機感を示し、国民に対して度々行動自粛を呼びかけました。しかし、これらの発言は時に「上から目線」と受け取られ、国民の反感を買うこともありました。また、自身が政治資金パーティーを主催したことなどが発覚し、「言行不一致」であるとの批判も浴びました。

不祥事と批判

中川は、まん延防止等重点措置期間中に政治資金パーティーを主催したり、新型コロナウイルス流行時期に高級寿司店で女性と密会デートをしたりするなど、複数の不祥事が報じられました。これらの行為は、国民の自粛ムードに反するものであり、大きな批判を浴びました。

会長職1期のみで退任

2022年、中川は次期日本医師会会長選挙への立候補を断念。その背景には、コロナ禍における発言やスキャンダル、政府との対立、診療報酬改定での実績不足など、様々な要因があったとされています。医師会内外からは、中川のリーダーシップや組織運営能力に対する厳しい評価も出ています。

所属学会

日本医師会
日本臨床脳神経外科学会
日本脳ドック学会
* ほか

中川俊男は、激動の時代に日本医師会会長を務めた人物として、その功績と課題が今後も議論されることでしょう。

もう一度検索