中村輪夢

中村 輪夢（なかむら りむ）は、2002年2月9日に京都府京都市で生まれた日本のプロBMX選手です。BMXフリースタイルパークを得意とし、世界の第一線で活躍しています。

競技との出会いと幼少期

中村選手がBMXと出会ったのはわずか2歳の時。元BMXライダーだった父・辰司氏の影響でした。5歳で早くも大会デビューを果たし、京都市立西京極西小学校の高学年の頃には、全国規模のキッズクラスで頂点に立つなど、その才能の片鱗を見せていました。

世界への挑戦と躍進

中学校卒業後、京都つくば開成高校へ進学。13歳となった2015年には、BMXの本場アメリカで開催されたRECON TOURの13～15歳クラスで優勝し、同世代における世界一の座に就きました。翌2016年には、世界の強豪が集まるG-Shock Real Toughnessで優勝。この快挙により、日本人BMXストリートライダーとして初めてレッドブルとアスリート契約を結び、その名を世界に知らしめました。

プロキャリアの確立

2017年6月にはスポーツマネジメント会社と契約を締結し、プロとしての活動基盤を固めます。同年11月の第1回UCIアーバンサイクリング世界選手権では、当時最年少ながらファイナル進出を果たし7位入賞。12月には第1回全日本BMXフリースタイル・パーク選手権大会で初代チャンピオンに輝きました。2018年からはウイングアーク1st株式会社とスポンサー契約を結び、現在も同社に所属しています。

国内外での実績

全日本選手権では驚異的な強さを見せ、2017年の初代王座獲得後、2019年、2020年、2021年、2022年、2023年、2024年と優勝を重ね、前人未到の6連覇を達成しています。国際大会でも目覚ましい成績を残しており、2019年のUCIワールドカップ広島大会では日本人初の準優勝、X Gamesミネアポリス大会では初出場で銀メダルを獲得し、BMXフリースタイルパークにおける史上最年少の表彰台記録を樹立しました。また、2019年にはUCIワールドカップの年間総合ランキングで1位を獲得するなど、世界のトッププレイヤーとしての地位を確立しました。2022年には、UCIアーバンサイクリング世界選手権で日本人初の優勝を飾り、名実ともに世界の頂点に立ちました。

オリンピックでの活躍

2020年東京オリンピックのBMXフリースタイル日本代表に内定した直後、左かかとを骨折するというアクシデントに見舞われます。練習が十分にできないまま迎えた大会でしたが、出場選手中唯一の10代として決勝に進出し、見事5位入賞を果たしました。この功績により、京都市から「京都市スポーツ栄誉賞」が授与されました。

2024年パリオリンピックでは、予選シリーズの結果だけでは出場権を確保できませんでしたが、これまでの実績が高く評価され、2大会連続のオリンピック代表に選出されました。パリオリンピック決勝では、世界初となる革新的な新技を成功させ、会場を大いに沸かせましたが、惜しくも2大会連続となる5位入賞となりました。

人物像

名前の「輪夢」は、自転車の車輪の部品「リム」に由来しており、「車輪・五輪の『輪』と『夢』」という想いが込められています。また、彼が生まれた2002年にソルトレークシティオリンピックが開催されていたことも影響しているとされます。

彼のダイナミックなライディングスタイルは多くのファンを魅了し、国内外の主要大会で常に優勝争いに絡む、日本が誇るBMXアスリートです。

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