中津市立小幡記念図書館

中津市立小幡記念図書館は、大分県中津市片端町に位置する公共図書館であり、中津市立図書館（組織名）の本館として、地域における知の拠点としての役割を担っています。この図書館は、本館と4つの分館で構成されており、中津市民の学習・研究活動を支える重要な施設です。

歴史

中津市立小幡記念図書館の歴史は、1909年（明治42年）に開館した中津図書館に遡ります。この図書館は、福澤諭吉の後を継ぎ慶應義塾の社頭を務めた小幡篤次郎の遺言により、土地、家屋、蔵書の一部が寄贈されたことを契機に設立されました。大分県内においては、1902年（明治35年）に開館した大分県立図書館に次ぐ歴史を持つ図書館です。1912年（明治45年）には、財団法人小幡記念図書館へと改称されました。

旧館時代

1938年（昭和13年）6月1日には、木造2階建ての近代的な新館が財団法人小幡記念図書館として建設されました。この建物の設計者は不明です。その後、1947年（昭和22年）1月1日には、財団法人から中津市に移管され、中津市立小幡記念図書館として新たなスタートを切りました。1974年（昭和49年）6月16日には、移動図書館車の運行を開始し、市民へのサービス拡充を図りました。

現行館時代

施設の老朽化と狭隘化が進んだため、1993年（平成5年）4月23日には、片端町に槇総合計画事務所（槇文彦）の設計による新館が開館しました。この現行館は、1995年（平成7年）に日本図書館協会建築賞を受賞、1998年（平成10年）には公共建築百選にも選定されました。また、慶應義塾大学の附属研究所である慶應義塾福澤研究センターとも連携し、研究活動の支援も行っています。2003年（平成15年）4月には、新築移転10周年を記念した行事が開催されました。

2005年（平成17年）3月1日には、下毛郡の三光村、本耶馬渓町、耶馬溪町、山国町が中津市に編入されたことにより、組織としての中津市立図書館は、中津市立小幡記念図書館と4つの分館からなる体制となりました。2009年（平成21年）10月から11月にかけては、図書館創立100周年を記念する事業が開催され、地域の文化振興に大きく貢献しました。

2023年（令和5年）10月15日には、移転30周年を記念した講演会として、絵本作家の長谷川義史氏を招いて講演会が開催され、多くの市民が参加しました。

脚注

公式ウェブサイト
研究活動 慶應義塾福澤研究センター

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