交通整理

交通整理とは

交通整理とは、道路の交差点などで、歩行者や車両の交通を円滑にするために行われる行為です。信号機や手信号、誘導棒などを用いて、交通の流れを整理・誘導します。

日本における交通整理

道路交通法には「交通整理」という言葉が使われていますが、明確な定義は定められていません。交通整理は、その主体や方法によって法的拘束力が異なります。

信号機による交通整理

都道府県公安委員会が設置した信号機は、道路交通法に基づいた法的拘束力を持ちます。信号無視は道路交通法違反となります。

一方、道路工事などの際に工事業者が設置する信号機は、法的拘束力を持ちません。したがって、工事現場の信号機を無視しても、直ちに道路交通法違反となるわけではありません。

警察官または交通巡視員による交通整理

警察官や交通巡視員による手信号も、法的拘束力を持ちます。事故や災害、停電などで信号機が機能しない場合や、デモ行進などが行われる際に、警察官や交通巡視員が手信号で交通整理を行うことがあります。

手信号と信号機の表示が異なる場合は、手信号が優先されます。これは、現場の状況を最も良く把握している警察官や交通巡視員の指示が優先されるという考え方に基づいています。

警備員による交通誘導

道路工事などの現場で、警備員が交通誘導を行うことがあります。しかし、警備員による手信号や誘導には、道路交通法上の法的拘束力は一切ありません。そのため、正しくは「交通誘導警備」と呼ばれます。

警備員の誘導は、あくまでも工事現場周辺の安全確保や、交通の円滑化を目的としたものであり、法的義務を伴うものではありません。警備員の指示に従わなかったとしても、直ちに道路交通法違反となるわけではありません。

ただし、警備員の誘導と道路標識や信号機などの指示が異なる場合は、道路標識や信号機などの指示が優先されます。警備員の誤った誘導に従って道路交通法に違反した場合、運転者本人が責任を問われる可能性があります。また、その結果、交通事故が発生した場合は、運転者だけでなく警備員も責任を問われることがあります。

交通整理の行われている交差点

道路交通法には「交通整理の行われている交差点」という言葉が登場します。これは、以下のいずれかに該当する交差点を指します。

信号機により、青信号、黄信号、赤信号（矢印信号を含む）が表示されている交差点
警察官や交通巡視員により、上記に相当する手信号が表示されている交差点

点滅信号が表示されている交差点や、停電などで信号機の表示が消えている交差点は、「交通整理の行われている交差点」には該当しません。

まとめ

交通整理は、道路の安全と円滑な交通を維持するために重要な役割を果たしています。交通整理が行われている場所では、信号機や警察官などの指示に従い、安全運転を心がけましょう。また、警備員の誘導は法的拘束力を持たないことを理解し、常に道路標識や信号機などの指示を確認するようにしましょう。

関連項目

* 交通規制

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