京樽

株式会社京樽について

東京都中央区日本橋人形町に本社を置く株式会社京樽は、日本の飲食業界において長い歴史を持つ企業です。主に寿司を中心とした事業を展開しており、持ち帰り寿司の「京樽」をはじめ、回転寿司の「回転寿司みさき」や寿司店「すし三崎丸」などを運営しています。

沿革

京樽の歴史は古く、1932年3月に京都・河原町で割烹料理店として創業したことに始まります。その後、1938年3月には東京に進出し、日本橋人形町に料亭「京樽」を開業しました。事業の拡大に伴い、1950年2月には平安興業株式会社を設立。1952年7月には東京・上野にテイクアウト店「京樽」の1号店を開店し、現在の主力事業の礎を築きました。1954年4月には、平安興業株式会社から株式会社京樽へと商号を変更しています。

順調に成長を遂げた京樽は、1979年11月にファミリーレストラン事業へも進出。1980年7月には株式を店頭公開し、1982年9月には東京証券取引所第二部へ、さらに1984年6月には東京証券取引所第一部へと上場を果たしました。しかし、1990年代後半に入ると経営状況が悪化し、1997年1月19日には会社更生法の適用を申請、経営破綻に至りました。この際の負債総額は1013億円にも上り、同年4月20日をもって上場廃止となりました。

会社更生手続きを進める中で、事業構造の見直しが行われました。回転寿司業態として「海鮮三崎港」を開始するなど、寿司事業への回帰・集中を進めました。2002年4月には、会社更生手続きが終了しています。

再建を果たした京樽は、2005年9月にジャスダック市場へ株式の再上場を果たしました。しかし、イートイン事業の一部不振などもあり、2011年には吉野家ホールディングスによる完全子会社化が決定し、同年6月28日に再度上場廃止となりました。これにより吉野家グループの一員となり、吉野家の株主優待制度の対象店舗ともなりました。その後、グループ内での事業再編も経ています。

そして2021年4月1日、大きな転換期を迎えます。回転寿司チェーン「スシロー」などを展開する株式会社FOOD & LIFE COMPANIES（同日、株式会社スシローグローバルホールディングスより商号変更）が、吉野家ホールディングスが保有していた京樽の全株式を取得し、完全子会社化しました。

FOOD & LIFE COMPANIESの傘下に入った後、京樽はグループシナジーを活かした事業展開を進めています。2021年11月には、主力ブランドの一つであった「海鮮三崎港」を「回転寿司みさき」へと順次リブランディングすることを発表。親会社の持つ強力な食材調達力を活用することで、商品ラインアップの強化を図っています。

主な事業・店舗

株式会社京樽は、以下の主な事業を展開し、多様な店舗ブランドを運営しています。

テイクアウト事業

京樽
関山
SUSHI COAST
Sushi Avenue K's
SUSHI DELISEA
京味燈
おむすび重吉

これらのブランドは、主に駅や商業施設で、手軽に購入できる持ち帰り寿司や惣菜などを提供しています。

外食事業（イートイン）

すし三崎丸
すし遊洛
回転寿司みさき
日本橋粋
人形町粋

これらのブランドでは、店舗内で寿司や海鮮料理を提供しており、特に「回転寿司みさき」はFOOD & LIFE COMPANIES傘下でリニューアルが進められています。

その他

かつて京樽はレスリング部を有しており、栄和人が選手兼女子レスリング部コーチとして所属していた時期もあります。

このように、株式会社京樽は、創業以来、日本の食文化、特に寿司を中心に事業を展開し、複数の経営的な局面を経て、現在は新たな親会社のもとで事業の再構築を進めている企業です。

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