京都市美術館

京都市京セラ美術館：歴史と革新が融合する芸術の殿堂

京都市左京区岡崎公園に位置する京都市京セラ美術館は、1933年（昭和8年）に開館した由緒ある公立美術館です。東京都[[美術館]]に次いで日本で二番目に開館した歴史を持ち、日本の近代美術史において重要な役割を果たしてきました。

明治期の建築と現代アートの融合

昭和天皇即位を記念して計画された当館は、当初「大礼記念京都美術館」と呼ばれていました。帝冠様式の本館は、前田健二郎の設計コンペ当選案を基に、京都市土木局営繕課によって設計され、現存する日本の公立美術館の中でも最も古い建造物の一つです。

2014年には「京都市美術館将来構想」が策定され、2020年のリニューアル計画がスタート。建築家青木淳氏の設計により、歴史的建造物の魅力を活かしつつ、現代的な機能とデザインが融合した新しい美術館が誕生しました。京セラ株式会社による命名権取得に伴い、美術館の名称は「京都市京セラ美術館」に変更されました。リニューアル工事では、建物の東西軸を強調し、観客の動線を大幅に刷新。西側広場を掘り込んでスロープ状の広場「京セラスクエア」を造り、地下1階にはガラス張りの新玄関やカフェ、ミュージアムショップなどを備えた「ガラス・リボン」空間を設けました。また、南中庭を復元した「天の中庭」や、ガラス天井の吹き抜け空間「光の広間」も誕生し、来館者はより快適に美術館を楽しむことができます。収蔵棟は「東山キューブ」として改装され、現代美術に対応した新しい展示室も増設されました。

充実したコレクションと多彩な企画展

美術館のコレクションは、明治以降から1990年頃までの日本画、洋画、工芸作品を中心に構成されています。浅井忠、梅原龍三郎、小磯良平、里見勝蔵、竹内栖鳳など、日本美術史に名を残す巨匠たちの作品を数多く所蔵しています。常設展では、これらのコレクションをテーマを変えて年数回展示換えしており、来館者は時代や画家の異なる作品を多角的に鑑賞することができます。

企画展では、公募展や大学の卒業展などの開催に加え、新聞社主催の大規模展覧会なども行われ、幅広い美術愛好家や一般来場者を惹きつけています。

アクセスと施設情報

美術館へのアクセスは、地下鉄東西線東山駅から徒歩10分、または京都市営バスで「岡崎公園 美術館・平安神宮前」下車すぐです。本館に加え、別館（旧・京都市公会堂東館）も利用され、カフェやミュージアムショップも併設されており、一日中芸術に浸れる空間となっています。

歴史と現代が調和する空間

京都市京セラ美術館は、歴史的建造物と現代建築の調和、そして充実したコレクションと多彩な企画展によって、多くの人々を魅了する芸術空間です。80年以上の歴史を持つ美術館の伝統と、新たな革新が融合した、京都の新たな魅力を発見できる場所として、多くの方々の来場をお待ちしています。

主な収蔵品（一部）

浅井忠：『グレーの柳』、 『漁村の少女』
梅原龍三郎：『秋山烟景』
小磯良平：『踊りの前』
竹内栖鳳：『芙蓉』『雲龍』など多数
上村松園：『待月』『晴日』など多数
その他、多くの著名な日本画家、洋画家の作品を所蔵

登録有形文化財

本館、正門（南北）、北門、東門、北案内板、南案内板など、美術館の建物や付属施設の一部は国の登録有形文化財に指定されています。

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