伊藤竜馬

伊藤竜馬：日本のプロテニス界を牽引した選手の一人

伊藤竜馬は、1988年5月18日、三重県員弁郡北勢町（現いなべ市）生まれの男子プロテニス選手です。北日本物産に所属し、右利き、バックハンドストロークは両手打ちというスタイルで知られています。身長180cmの伊藤選手は、ATPランキングでシングルス自己最高60位、ダブルス自己最高312位を記録しました。

ジュニア時代から頭角を現す

9歳からテニスを始めると、すぐに才能を開花させます。全日本ジュニアテニス選手権12歳以下シングルスでベスト4、全国中学生ジュニアシングルスでは準優勝と、早くからその名を馳せました。

その後、テニスの強豪校として名高い長尾谷高等学校に進学。高校時代には、トヨタジュニアシングルスやジャパン・オープン・テニス選手権ジュニア部門シングルスなどで優勝を飾るなど、数々のタイトルを獲得しました。全日本ジュニアテニス選手権18歳以下シングルス、全国高等学校総合体育大会テニス競技大会シングルス、世界スーパージュニアテニス選手権大会ダブルスでは準優勝と、常に上位に食い込む活躍ぶりでした。

2006年、高校在学中にプロへと転向します。

プロ転向後：地道な努力と着実な成長

2007年には、ツアー下部大会であるフューチャーズで初優勝を達成。全日本テニス選手権シングルス部門でも、前年度優勝者である岩渕聡選手を破る金星を挙げ、ベスト4に進出しました。

2008年には、フューチャーズ4大会優勝という快挙を達成し、更なる飛躍の年となります。この年、ジャパン・オープン・テニス選手権では主催者推薦でATPツアー本戦に初出場を果たしました。全日本テニス選手権では準決勝で守屋宏紀選手を破り決勝に進出し、惜しくも今大会第一シードの添田豪選手に敗れ準優勝。ダブルスでも準優勝と、素晴らしい成績を残しました。この活躍により、年間ランキングは511位から313位へと大きく上昇しました。

2009年には、全日本室内テニス選手権で準決勝進出。4月にはランキングが200位台に上昇、6月にはウィンブルドン選手権の前哨戦であるエイゴン国際予選を勝ち抜き、ATPツアー大会本戦への出場権を獲得しました。同年11月にはダンロップ・チャレンジャーで決勝に進出するも惜しくも準優勝。それでも、年間ランキングは314位から210位へと上昇し、日本人選手トップの座に就きました。

2010年には、チャレンジャー大会で初優勝を飾るなど、更なる高みを目指して邁進しました。広州アジア大会では男子シングルスと団体で銅メダルを獲得しています。

グランドスラム出場と世界ランク100位以内

2011年には、念願のグランドスラム大会、全米オープンに初出場を果たしました。2012年には、全豪オープンで4大大会初勝利を収め、3月には全日本室内テニス選手権で優勝、世界ランキングで念願のトップ100入りを果たします。6月にはユニセフ・オープンでツアーベスト8進出。更にロンドンオリンピックにも出場を果たすなど、日本テニス界を代表する選手としての地位を確固たるものとしました。同年10月には、楽天ジャパン・オープンで世界ランク12位のニコラス・アルマグロ選手を破る金星を挙げ、自己最高ランキング60位を記録しました。

2013年には、全日本テニス選手権で初優勝。2014年には、世界ランク上位10選手相手に初勝利を挙げました。2015年にはATPツアーでベスト8入りを果たすなど、着実に実績を積み重ねていきました。

2016年には、マスターズ1000で初勝利。2020年には、全豪オープンで6年ぶりにグランドスラム1回戦を突破、2回戦に進出しました。

引退とその後

2024年4月1日、現役引退を発表。最後の試合となった三菱電機ビルソリューションズ 全日本テニス選手権ではベスト4進出を果たしました。現役引退後も、望月慎太郎選手のコーチを務めるなど、テニス界への貢献を続けています。

伊藤竜馬選手は、ジュニア時代からの才能と、プロになってからの地道な努力によって、日本のテニス界を長きに渡り支え、世界で活躍した選手の一人です。彼の功績は、日本のテニス界の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。彼の今後の活動にも注目が集まります。

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