伏石駅

伏石駅（ふせいしえき）

伏石駅は、香川県高松市太田下町に設けられた、高松琴平電気鉄道（ことでん）琴平線の駅です。駅番号はK04Aが付与されています。ことでんとしては2番目となる高架構造の駅であり、乗降車に利用できるICカード「IruCa」の取り扱いや、定期券の購入ができる窓口も備わっています。

駅設置の背景と目的

この駅の設置は、周辺のバス路線再編も視野に入れ、地域交通のハブとなる交通結節点としての機能を持たせることを目的として計画されました。事業主体は高松市総合都市交通計画推進協議会が担っており、駅舎の整備には約9.5億円の事業費が投じられています。

駅の所在地は太田下町ですが、既存の太田駅（太田上町に所在）との混同を避けるため、太田下町の東隣にある伏石町から駅名が名付けられました。

歴史

当初の計画では、2016年度に基本計画を策定し、翌2017年から約2年をかけて駅舎整備を行う予定でした。しかし、駅建設予定地であったゲオ高松東バイパス店跡地の建物解体後、埋蔵文化財調査に約1年間を要したため、本体工事に着手できたのは2020年に入ってからとなりました。

2019年（令和元年）11月1日：正式な駅名が「伏石駅」に決定しました。
2020年（令和2年）11月28日：駅が開業しました。
2021年（令和3年）4月1日：南口の利用が始まりました。
2021年（令和3年）11月6日：駅前広場が完成し、全面的な利用が始まりました。

開業当初は駅前広場が未完成だったため北口のみが先行して開放され、南口は工事の進捗に伴って順次利用可能となりました。駅前広場の完成により、南北両側からのアクセスが整備されています。

駅構造と設備

伏石駅は、線路の両側にホームが配置された相対式ホーム2面2線を有する高架駅です。駅員が配置されている有人駅ですが、高架駅の特性から、乗車券の集札業務は基本的に乗務員が行います。

駅の1階部分は、中央付近が国道11号高松東バイパスによって南北に分けられています。北側の駅舎には中央口と北口があり、待合室、飲料自動販売機、多目的トイレ、自動券売機が設置されています。また、IruCaの購入・チャージ・払い戻しや定期券発行手続きができるIruCa取り扱い窓口・IruCa定期券窓口も設けられています。これらの窓口では駅改札業務は行っていません。IruCa窓口の正面と待合室には、ことでんでは初めてとなる液晶式の列車発車案内表示器が導入されています。一方、南口側には自動券売機のみが設置されています。

2階は、4両編成に対応したホーム空間となっており、ICカード専用の簡易型自動改札機、1階とを結ぶエレベーター、LED式の発車案内表示器が設置されています。安全確認や乗り遅れ防止のため、監視モニターも備えられています。ホームの設置場所は線路の勾配を考慮し、国道11号バイパスを跨ぐ形で配置されたため、駅の南北両側に出入口が設けられる構造となりました。この駅を含む区間は、合わせて複線化事業も実施されています。

駅前広場とバス路線

2021年11月6日にグランドオープンした駅前広場は、交通結節点としての役割を担う重要な施設です。ここには、高速バス用と路線バス用それぞれ2台分のバスバース、タクシーベイ（2台分）、そして駐輪場や送迎用駐車場（2台分）が整備されています。高架下など駅周辺にも別途駐輪場や駐車場が設けられています。駅前広場の整備には11.5億円が投じられ、国と高松市が費用を分担しました。

駅前広場からは、ことでんバスの「レインボー循環バス」や「伏石駅サンメッセ線」、「鹿角線」、「高松西高線」といった路線バスが運行しています。高速バスについても、開業当初から「高徳エクスプレス」が乗り入れています。当初は高松市南部の高速バス拠点として、より多くの路線停車を目指していましたが、共同運行会社との調整などにより限定的な停車にとどまっていました。しかし、2024年12月20日からは新たに東京方面への高速バス「ハローブリッジ号」も停車を開始し、交通結節点としての機能はさらに拡充されています。

利用状況

高松市の移動等円滑化取組報告書によると、2022年度の一日あたりの利用者数は2,404人でした。近年、コロナ禍の中でも利用者数は増加傾向にあり、地域の生活拠点としての駅の重要性が高まっています。

駅周辺

駅周辺には、主要な幹線道路である国道11号高松東バイパス（さぬき夢街道）、香川県道280号高松香川線、香川県道43号中徳三谷高松線別線（伏石街道）、高松市道朝日町仏生山線（サン・フラワー通り）などが通っています。教育機関としては、高松市立太田小学校、高松市立太田南小学校、高松市立太田中学校があり、多くの学生が利用します。この他、金融機関、郵便局、商業施設なども点在しており、生活利便性の高いエリアです。過去には駅前広場完成に伴い、周辺道路上のバス停の一部が廃止され、駅前広場へ集約されました。

隣の駅

高松琴平電気鉄道琴平線における伏石駅の隣駅は以下の通りです。

三条駅（K04）← 伏石駅（K04A） → 太田駅（K05）

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