伯方の塩

伯方の塩

「伯方の塩」は、愛媛県の伯方塩業が製造・販売している塩です。粗塩と焼塩の2種類があり、通常は粗塩を指します。フルール・ド・セルやローストソルトといった姉妹品も存在します。

商品名は、愛媛県今治市の伯方島に由来しますが、福岡市の博多と間違われることもあります。

概要

1971年の塩業近代化臨時措置法により、日本の塩田製法が廃止され、イオン交換膜製塩へと移行しました。伯方島の塩田も1971年12月に廃止されました。

しかし、この状況に疑問を持った人々による自然塩存続運動が起こり、署名活動の結果、1973年にメキシコやオーストラリアからの天日海塩を用いた塩田製法が特例として認められ、「伯方の塩」が誕生しました。

1997年の塩専売法廃止後も、伯方の塩はメキシコのゲレロネグロやオーストラリアのプライスの天日塩を使用しています。ゲレロネグロ塩田は、世界自然遺産であるエル・ビスカイノ生物圏保護区に隣接しています。

製法

伯方の塩は、太陽熱で蒸発結晶させた天日海塩を日本の海水で再溶解して製造されます。伯方島だけでなく、隣の大三島でも製造が行われています。

伯方塩業は、「伯方の塩」という商品名について、「伯方で作られた塩という意味ではなく、伯方の塩田を復活させたいという当時の消費者運動の思想から生まれたもの」と説明しています。

2004年には、HAKATA焼塩の表示に関して、公正取引委員会から景品表示法に基づく警告を受けました。

2003年に放送されたテレビ番組「トリビアの泉」では、伯方の塩の原料がメキシコ産であることが紹介され、「伯方の塩はメキシコ生まれの伯方育ち」と表現されました。これに対し、伯方塩業は番組の意図を理解しつつも、消費者に誤解を与える可能性を懸念するコメントを発表しました。

成分

伯方の塩100gあたりの主要成分は以下の通りです。

ナトリウム: 不明
マグネシウム: 不明
カルシウム: 不明
カリウム: 不明

備考

伯方塩業大三島工場と同じ今治市にあるしまなみ製菓が、伯方の塩を100%使用した「伯方の塩飴」を製造しています。

CM

1987年から使用されている「は・か・た・の・しお！」のサウンドロゴは広く親しまれています。

1996年から7年間ほどは、演歌歌手の髙城靖雄がCMに出演し、サウンドロゴも髙城の歌うものに差し替えられました。髙城の持ち歌『男龍』には、このサウンドロゴを思わせるフレーズが使われています。

2019年5月、伯方塩業は、web広告限定でこのフレーズを歌う声優の募集をTwitterで開始し、Novembreが選ばれました。

このサウンドロゴを串田アキラが歌っていたという説がありますが、串田の公式サイトで否定されています。

作曲者

Web広告の声優募集の際、作曲家の浦田博信がサウンドロゴの作曲者であると名乗り出ました。当初、伯方塩業は初代歌唱者の特定ができませんでしたが、2023年の創業50周年記念イベントで、作曲者が浦田博信、歌唱が塩谷信廣であることが正式に公表されました。

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