保証人

保証人に関する詳細解説

はじめに

保証人とは、債務者が債務を履行できない場合に、代わりにその債務を負う人のことです。大きく分けて、人的保証、物的保証、身元保証の3種類があります。本記事では、主に日本の民法に基づいて、人的保証について詳しく解説します。

人的保証

保証契約

保証は、債権者と保証人の間の契約（保証契約）によって成立します。通常、債務者と保証人の間で保証委託契約（債務者が保証人に保証契約の締結を委託する契約）が事前に締結されますが、この契約の有無は保証契約の効力には影響しません。

主債務者が保証人を立てる義務を負う場合、保証人は資力のある行為能力者である必要があります。ただし、債権者が特定の保証人を指定する場合は、未成年者や資力のない者でも保証人となることができます。

保証の種類

単独保証と共同保証

保証人が1人の場合を単独保証、複数人の場合を共同保証といいます。共同保証人には分別の利益があり、各保証人は主債務額を保証人の数で割った額のみを負担します。ただし、後述する連帯保証人には分別の利益がないため、主債務額の全額を負担します。

単純保証と連帯保証

連帯の特約がない保証（単純保証）の場合、保証人には催告の抗弁権と検索の抗弁権があります。一方、連帯保証人（主債務者と連帯して債務を負う特約を付した保証人）にはこれらの抗弁権がなく、主債務者と同様に債務の全額を負担します。

日本では、住宅ローン、賃貸借契約、奨学金、公営住宅入居など、多くの場面で連帯保証人が求められます。連帯保証人は、主債務者の債務不履行によって大きな経済的損害を被るリスクがあります。そのため、安易に連帯保証人となるべきではありません。

2013年には、金融機関による第三者への保証要求を禁止する民法改正案が提出されましたが、成立には至りませんでした。しかし、その後行われた民法改正では、事業性融資に対する経営者以外の個人保証について、公正証書による保証意思の宣明が義務付けられました。

保証人の求償権

保証人は、主債務者に対して、保証債務の弁済に要した費用を請求する権利（求償権）を有します。

物的保証

物的保証とは、保証人が自分の財産を担保として提供する保証です。

身元保証

就職活動における身元保証は、法律で義務付けられていません。保証を拒否しても違法ではありませんし、会社が保証人を求めることも禁止されていません。そのため、保証人がいないことを理由に入社を断られるケースもあります。

雇用主が身元保証人に損害賠償を請求する場合、保証人に対して業務内容や異動情報などを通知する必要があります。通知していれば、損害賠償請求が可能です。

まとめ

保証人には様々な種類があり、それぞれ責任の範囲や法的保護の度合いが異なります。保証契約を締結する際には、契約内容をよく理解し、リスクを十分に考慮することが重要です。特に連帯保証人は、大きな経済的リスクを負う可能性があるため、安易な承諾は避け、十分に検討する必要があります。また、身元保証についても、法的責任を理解した上で対応することが大切です。

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