信州味噌

信州味噌

信州味噌（しんしゅうみそ）は、長野県（信州）を中心に生産されている米味噌です。米麹と大豆を原料とし、淡色で辛口な味わいが特徴です。

歴史

信州における味噌造りの歴史は古く、鎌倉時代に心地覚心が創建した安養寺（佐久市）が発祥の地とされています。中世以降、信濃国では味噌造りが盛んに行われてきました。

明治時代に入ると、諏訪湖周辺で製糸業が発展し、多くの女工が工場で働くようになりました。彼女たちの食事を賄うために、味噌が大量に生産されるようになります。この大量生産のノウハウが、1923年の関東大震災後に信州味噌が首都圏の味噌市場を席巻するきっかけとなりました。

明治時代末期には、日本陸軍糧秣廠に勤務していた河村五郎（日出味噌創業者）が、味噌の醸造時間を大幅に短縮する味噌速醸法を考案しました。この速醸法は、特許が開放された仙台味噌の醸造法と合わせて全国に普及しました。さらに1944年には、マルマンが中田式速醸法という新たな速醸法を開発し、信州味噌の製造法とともにに関東地方に広めたことで、信州味噌のシェアは拡大しました。

現状

現在、日本で生産・消費されている味噌の約4割が信州味噌です。長野県には、大手味噌製造会社の本社や工場が集中しており、中小企業も多数存在します。県下各地には業界団体として協同組合が組織され、その上部組織として長野県味噌工業協同組合、及び長野県味噌工業協同組合連合会があります。

「信州味噌」の名称は、長野県味噌工業協同組合が所有する団体商標です。

主な製造会社

タケヤみそ（諏訪市）
ハナマルキ（伊那市）
マルコメみそ（長野市）
神州一味噌（旧社名：宮坂醸造・本社は東京都渋谷区、創業は諏訪市）
ヤマタカみそ（茅野市）
丸正醸造（松本市）
松亀味噌（岡谷市）
喜多屋醸造店（岡谷市）
石井味噌（松本市）
ヤマニ醤油店（塩尻市）
ひかり味噌（諏訪郡下諏訪町）
糀屋本藤醸造舗（須坂市）
塩屋醸造（須坂市）
千日みそ（須坂市）
土屋味噌醤油醸造場（須坂市）
中村醸造場（須坂市）
富士屋醸造（小諸市）
山吹味噌（小諸市）
(資)和泉屋商店（佐久市）
マルマン（飯田市）

大手味噌メーカーの約4割が、信州味噌の長野県を発祥としています。

関連項目

NHK連続テレビ小説 かりん - 老舗の信州味噌の蔵が舞台
旭松食品 - 長野県南信に事業所を置き、即席みそ汁を製造しているが、起源は凍り豆腐メーカー

外部リンク

* 信州みそラボ 長野県味噌工業協同組合連合会

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