信藤三雄

信藤 三雄（しんどう みつお）

信藤三雄（しんどう みつお）は、1948年1月26日に東京で生まれ、2023年2月10日に亡くなった、日本のアートディレクター、映像ディレクター、映画監督です。彼は松任谷由実やMr.Children、サザンオールスターズ、SMAPといった多くのアーティストのCDジャケットを手掛け、その数は2007年までに約900枚に達しました。特に1980年代後半から1990年代にかけて、渋谷系のミュージシャンと密接に協力し、その音楽とデザインの融合を図ったことで知られています。

幼少期からキャリアのスタート

信藤は大学（駒澤大学）を経て広告研究会に所属。デザイン学校卒業後、百貨店業界誌の記者として働くも、半年後には辞職しデザイン事務所に入職します。その後、フリーランスデザイナーとしての仕事を始めつつ、「マギー・シン」という名前でスクーターズのギターで活動しました。スクーターズは1982年にシングルとアルバムをリリースし、短命ながら信藤にとって重要な経験となりました。

アートディレクターとしての成功

1984年、松任谷由実のシングルとアルバムのジャケットデザインを担当し、本格的にCDジャケットデザインに携わるようになります。その後、信藤はピチカート・ファイヴのCDジャケットのデザインを手がけることとなり、小西康陽とのタッグで新たなデザインスタイルを作り出しました。特に、渋谷系アーティストたちのアートディレクションで彼の名は知られるようになり、鮮やかなビジュアル表現とともに、音楽的なテーマやコンセプトを明確に視覚化していきました。

映像作家としての活動

1990年代以降、信藤は映像作家としても活躍し、多くのミュージックビデオを監督しました。彼の手がけたPVの中には、桑田佳祐の「東京」を含む優れた作品があり、2003年には「SPACE SHOWER MUSIC VIDEO AWARDS」の「BEST VIDEO OF THE YEAR」を受賞します。彼はその後も様々な映像作品や映画を制作し、1998年には映画「代官山物語」で映画監督としてデビューしています。

社会活動と後期の業績

信藤は最近の活動として、音楽とアートを通じて社会に貢献する活動にも力を入れていました。2010年からは一般財団法人mudefの副代表理事として活動を行うほか、脱原発を目指すクリエイター集団「The Maskz」を中心に、環境問題への関心を高めるよう合意形成を図りました。また、2018年には自身のアートワークを展示する展覧会が開催され、多くの作品が紹介されました。

最後の数年と遺産

2023年に信藤三雄は沖縄県で胃がんのため逝去しました。彼は音楽とデザインの交差点で独自の道を切り開き、渋谷系を形作った偉大なクリエイターとして後世に語り継がれるでしょう。彼が残した数々の作品は、今後も多くの人々に影響を与え続けるに違いありません。

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