元祖高木ブー伝説

元祖高木ブー伝説

『元祖高木ブー伝説』は、筋肉少女帯が1989年12月5日にリリースしたメジャー2枚目のシングルです。この作品は、オリコンの週間チャートにおいて最高8位を獲得し、11週にわたってチャートにランクインした、筋肉少女帯の中でも特に影響力のあるヒットシングルとなりました。

歌のテーマと背景

歌詞のテーマは失恋男の内面的な苦悩を描いており、重苦しくなりがちな内容を独特なユーモアで表現しています。具体的には、ザ・ドリフターズのコントにおいて高木ブーが果たす役割に喩えられている部分が特徴的です。この曲は、1987年にナゴムレコードよりリリースされたEP『高木ブー伝説』のリメイクであり、前作の成功を受けて新たに制作されました。

ジャケットアートは、著名な漫画家である丸尾末広によって手がけられています。そのデザインには、白塗りの顔で黒いマントを身にまとった高木ブーの似顔絵が描かれており、背景には象や虎、花火といったカラフルなイメージが展開されています。元々の絵には筋肉少女帯のメンバーが象の背中に乗っている構図も含まれていましたが、メンバーの意向により削除された経緯があります。

発売の経緯

このシングルのリリースに際して、高木ブーの所属事務所イザワオフィスからは強い反発がありましたが、高木ブー自身が「若い奴らが頑張っているのだから許してあげよう」という寛大な姿勢を示したことで、発売が実現しました。彼は、筋肉少女帯のバラエティ番組『筋肉少女帯の深夜改造計画!』にゲスト出演し、そこで和解の場を設けたことが大きな要因となりました。その後、高木は筋肉少女帯のライブにも頻繁に参加するようになり、アーティストとしての交流が深まっていきました。

高木ブーとの交流

この曲のヒットを受けて、大槻ケンヂは高木ブーとの関係を深化させるために、彼が経営するバーでの特別なステージにも自ら進んでゲスト出演しました。それに加えて、テレビ番組『徹子の部屋』や自身の著書において、高木への感謝の言葉や讃辞を頻繁に述べています。こうした交流は、アーティスト同士の深い絆を示す良い例となりました。

曲の影響

大槻によると、曲の発想はザ・スターリンの「天プラ」に触発されて生まれたとのことです。このように、様々な要素が組み合わさり『元祖高木ブー伝説』は独自の魅力を持つ作品となりました。収録曲には、表題曲の他に「星の夜のボート」もあり、いずれも高槻の作詞・作曲によるものです。また、このシングルは2枚のアルバム『サーカス団パノラマ島へ帰る』や『猫のテブクロ』にも収録されています。

この楽曲は、筋肉少女帯の中でも特別な位置を占めており、ファンからも高く評価されています。

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