全国家庭科教育協会

全国家庭科教育協会（ZKK）について

全国家庭科教育協会（略称：ZKK）は、日本の家庭科教育の発展を目的として設立された教員団体です。1950年（昭和25年）4月1日に発足して以来、小学校から高等学校、大学に至るまで、家庭科教育の充実と発展に尽力してきました。特に、小学校家庭科の存続問題や、高等学校における女子家庭科の必修化、中学校における技術・家庭科の成立など、重要な教育改革において中心的な役割を果たしています。

協会の設立と初期の活動

1949年（昭和24年）9月、小学校家庭科の存廃問題が浮上したことをきっかけに、家庭科教員たちが立ち上がり、1950年（昭和25年）4月1日に全国的な組織として「全国家庭科教育協会」が設立されました。設立当初は、小学校家庭科の存続が大きな課題であり、同年6月には小学校家庭科の存置決定を勝ち取りました。初代会長には山崎匡輔（当時東京都教育委員長）、理事長には重松伊八郎（元文部省図書監修官）が就任し、事務所は理事長宅（杉並区和泉町）に置かれました。

協会の活動と成果

協会は、設立当初から機関誌『家庭科』の発行や、調理用標準計量カップ・スプーンの制定・配布など、家庭科教育の普及と質の向上に努めてきました。1952年（昭和27年）には、高等学校における家庭科の女子必修化を求める請願書を提出し、その実現に大きく貢献しました。

1958年（昭和33年）には、中学校の教育課程改定に伴い「職業・家庭科」が「技術科」と改称される動きに対し、「家庭科」の名称存続を求め請願書を提出しました。その結果、「技術・家庭科」として名称が変更され、家庭科が中学校教育において重要な位置を占めることとなりました。

その後も、家庭科教育の充実と設備拡充のため、国庫補助の請願活動を継続的に行い、その成果として、高等学校の家庭科施設設備費の国庫補助が実現しました。また、家庭科教育の国際的な動向を把握するため、欧米家庭教育事情視察団を派遣するなど、視野を広げる活動も行っています。

男女の学習内容の違いと課題

協会の活動によって、女子生徒の家庭科必修化が進められましたが、このことが男女の学習内容の差を明確にし、一部からは男女差別であるとの指摘も受けるようになりました。しかし、家庭科教育が男女共同参画社会の実現に向けて果たす役割は大きく、その重要性は今日においても変わりありません。

協会の現在

全国家庭科教育協会は、設立から70年以上が経過した現在も、家庭科教育の発展に尽力しています。所在地は東京都渋谷区代々木にあり、家庭科クラブ会館を拠点に活動しています。長年にわたる活動は、日本の家庭科教育の基盤を築き、その後の発展に大きく貢献しました。

年表

1950年（昭和25年）4月1日 - 全国家庭科教育協会設立
1950年（昭和25年）6月22日 - 小学校家庭科存置決定
1951年（昭和26年）1月 - 機関誌『家庭科』創刊
1951年（昭和26年）7月 - 調理用標準計量カップ、スプーン制定
1952年（昭和27年）3月19日 - 高等学校家庭科女子必修化請願書提出
1958年（昭和33年）10月1日 - 中学校「職業・家庭科」が「技術・家庭科」となる
1966年（昭和41年）7月30日～8月22日 - 第1回欧米家庭教育事情視察団結成
1990年（平成2年）3月28日 - 40周年記念式典開催
* 2000年（平成12年）3月29日 - 50周年記念式典開催

所在地

東京都渋谷区代々木3-20-6 家庭科クラブ会館

外部リンク

全国家庭科教育協会

この文章は、全国家庭科教育協会の歴史と活動について、より詳細に解説したものです。協会の設立から現在に至るまでの歩み、家庭科教育における重要な役割について理解を深める一助となれば幸いです。

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