全国植樹祭

全国植樹祭について

全国植樹祭は、日本国内での植樹イベントであり、国土緑化運動の中心的な行事として1950年から毎年開催されています。この祭りは、国土緑化推進機構と開催地域の都道府県によって主催されており、代表的な行事の一つと位置づけられています。大会の日程は、春の時期であり、最初は4月の第1週に行われていましたが、1960年代以降は5月に開催されることが増えました。

大会の内容

全国植樹祭では、天皇の挨拶があり、万葉の森を舞台に「お手植え・お手まき」と呼ばれる植樹の儀式が行われます。また、国土緑化運動のポスターコンクールの表彰や、記念植樹なども行われ、参加者は全国から集まります。この行事は、国民文化祭や国民スポーツ大会などとともに「四大行幸啓」に分類され、重要な行事として認識されています。1980年代には参加者数が1万人を超え、2002年には山形県で12,000人が訪れましたが、近年では規模が縮小傾向にあります。

歴史的背景

全国植樹祭のルーツは、戦前の「愛林日植樹行事」にさかのぼります。1949年には初めて天皇による行幸啓が行われ、1950年に山梨県で「植樹行事並びに国土緑化大会」として正式にスタートしました。1970年（第21回開催）以降、現在の「全国植樹祭」という名称を持つようになりました。

また、1977年以降は、秋に過去の植樹祭で植えられた木々の手入れを行う全国育樹祭も開催されています。この祭典では、歴代の皇太子が出席し、樹木の成長を見守っています。

行幸啓の中止

過去には、災害等の影響で行幸啓が実施できないケースもありました。特に1968年の秋田県での第19回大会では、地震の影響で天皇の出席ができなかったため、苗木を急遽持ち込み、後に移植する方法が取られました。2008年には岩手・宮城内陸地震が発生したことにより、開催が危ぶまれたこともありましたが、結果的に多くの人々が参加しました。

最近では、新型コロナウイルスの影響で2020年の第71回大会が延期となり、翌2021年に事情を加味した形で行われました。このように、全国植樹祭は時代の変化に応じてその姿を変えながらも、国土緑化へ向けた大切な取り組みとして、史実とともにその役割を果たしています。

発祥の地

全国緑化行事の起源は、1934年の愛林日植樹行事です。このイベントは茨城県筑波山麓の鬼ヶ作国有林で行われ、後に全国緑化行事のスタート地点として認められました。2013年度には林業遺産として登録され、そこに記念碑が建立されています。

また、昭和天皇は戦後、特に林業に関心を示し、初めて公式行事で植樹を行いました。これが後の全国植樹祭との関わりに繋がっています。今もなお、地域住民によって植樹した木々は大切に管理されています。

このように、全国植樹祭はただのイベントではなく、国の緑化や環境保全に向けた重要な文化であり続けています。

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