八木山バイパス

八木山バイパス：交通渋滞と無料化、そして有料化への道のり

福岡県糟屋郡篠栗町を起点とし、飯塚市に至る八木山バイパスは、国道201号の難所である八木山峠の交通渋滞解消を目指して建設されたバイパス道路です。全長13.3km、暫定2車線で供用開始されましたが、現在は4車線化工事が進行中です。

経緯と課題

1985年の暫定2車線供用開始以来、八木山バイパスは地域住民の生活道路として重要な役割を果たしてきました。しかし、2010年には高速道路無料化社会実験により通行料金が無料となり、2014年には完全に無料化されました。無料化によって交通量は大幅に増加し、1日約1.2万台から約2.3万台へと倍増しました。

この交通量の増加は、朝夕のラッシュ時を中心に深刻な渋滞を引き起こし、交通事故件数も無料化前に比べて3倍に増加するという深刻な事態を招きました。渋滞による経済的な損失や生活への支障は無視できないレベルに達し、新たな対策が求められるようになりました。

4車線化と有料化

渋滞問題の解決策として、福岡県はバイパスの4車線化とフルインター化を国土交通省に要望。しかし、無料化を前提とした税金による整備では予算の確保が困難であることから、有料道路方式での再整備が検討されるようになりました。

2019年には、国土交通省道路局が八木山バイパスの有料道路事業導入と4車線化整備を認可。2020年から工事が開始され、篠栗IC-筑穂IC間は2024年度、筑穂IC-穂波東IC間は2029年度の開通を目指しています。

新たな料金体系では、普通車で250円（消費税込み）を予定。徴収期間は2026年4月1日から2050年9月30日とされていますが、NEXCO西日本は篠栗IC-筑穂IC間の4車線化完成と同時に料金徴収を開始する見込みです。総事業費は360億円、計画交通量は1日約18,100～19,300台と見込まれています。費用便益比(B/C)は1.4と、経済的な効果も期待されています。

その他

八木山バイパスは、50cc以下の原動機付自転車、軽車両、歩行者の通行が禁止されています。ただし、非自動車専用道路であるため、50ccを超える二輪車の通行は可能です。案内標識は、一部を除き青色のものが使用されています。

無料化前の料金は、原付（50cc超-125cc以下）50円、普通車・小型二輪車（125cc超）530円、大型車800円、特大車1940円でした。2009年からはETCカードとクレジットカードが利用可能になり、ETC割引制度も導入されましたが、ノンストップ通行はできませんでした。

八木山バイパスの4車線化と有料化は、交通渋滞の解消と地域経済の活性化に大きく貢献することが期待されています。しかし、有料化に伴うドライバーへの負担増加も懸念されており、今後の推移を見守る必要があります。

関連情報

起点: 福岡県糟屋郡篠栗町篠栗
終点: 福岡県飯塚市弁分
規格: 第3種第2級
設計速度: 60km/h
償還完了日: 2014年9月30日
周辺情報: 八木山峠、ショウケ越、篠栗四国八十八箇所など

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