八東駅

八東駅について

八東駅（はっとうえき）は鳥取県八頭郡八頭町に所在し、若桜鉄道若桜線の駅です。この駅は1930年12月に開業し、昭和の初めから地域の交通に寄与してきました。開業当初は国鉄の駅として旅客や貨物の取り扱いが行われていましたが、1974年には貨物取扱が廃止されました。1987年には国鉄の分割民営化により、西日本旅客鉄道に移行し、その後、若桜線は第三セクターに転換され、現在の若桜鉄道が運営しています。2008年には駅舎が国の登録有形文化財に指定され、地域の歴史的価値が再評価されています。

駅の構造と設備

八東駅は相対式ホーム2面2線を備え、列車の交換が可能です。ホームからは坂を下ったところに木造の駅舎があり、訪れる人々を迎え入れています。1番線ホームには待合所が併設されており、利用客が快適に過ごせる空間が提供されています。また、駅舎とホーム間は構内踏切を通じて行き来できるようになっています。特に2020年には、改正ダイヤの導入とともに列車交換の設備が設置され、利便性が向上しました。

かつて駅舎の事務室は山岡電機の八東工場として使用され、同社が簡易委託駅として券売業務を担っていました。しかし、2015年の撤退後、事務室は喫茶店「ひとやすみ」として再利用されましたが、閉店ののち2017年からは地域住民が管理を行い、事務室は管理人室として活用されています。

駅舎の東側には男女別の水洗式トイレも備えられています。駅舎と1番線プラットホームは1930年に建設されており、2008年に文化財として認定された背景には、その歴史的な重要性があるからです。

観光と地域活性化

八東駅の1番線ホーム南側には旧貨物ホームが残されており、若桜線SL遺産保存会がこの地域の貨物輸送の歴史を再現する活動を進めています。2010年には土砂で埋没していた引込線跡が整備され、レールの再敷設が行われました。2011年には、廃車後に放置されていたワフ35000形有蓋緩急車が搬入され、地域の活性化の一環として修復作業が行われました。2014年には貨車に関する説明看板が設置され、地域住民を巻き込んだイベント「八東駅貨物ホーム和富（ワフ）祭」も開催されました。

さらに、2022年には加悦SL広場からトンネル除雪用の排雪モーターカーも搬入されるなど、貨物ホームの復元活動は充実しています。

周辺の施設

駅周辺には八東郵便局や八頭町立八東小学校、国道29号、国道482号などの交通路が整備されています。また、鳥取県道153号や175号、6号線も通っており、周辺地域とのアクセスが良好です。八東川も近くに流れており、自然にも恵まれた地域です。

八東駅は、ただの交通の拠点ではなく、地域の文化や歴史を伝える重要なランドマークとして、多くの人々に親しまれています。今後の地域活性化にも期待が寄せられる場所です。

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