兵庫県立図書館

兵庫県立図書館：明石公園に佇む知識の殿堂

兵庫県立図書館は、兵庫県が設置する公立図書館です。神戸市ではなく、明石市の兵庫県立明石公園内に位置しており、その立地は、同館の歴史と特徴を語る上で重要な要素となっています。

開館と独特の歴史

1974年10月、全国の都道府県立図書館本館としては最も遅く開館しました。これは、明治時代末期から存在し、現在も大規模な公立図書館である神戸市立図書館の存在が大きく影響しています。明石市立図書館の開館に合わせ、県と市が連携して整備された経緯があり、県庁所在地以外に本館を置く全国でも珍しい図書館となっています。開館当初は、隣接する明石市立図書館と役割分担を行い、一般への直接貸し出しは行わず、県内の他の図書館への協力貸し出しのみでした。しかし、2001年からは一般への貸し出しも開始し、サービスを拡充しています。

2016年から2018年にかけては、本館の老朽化による耐震補強工事のため、仮本館と仮設書庫を設けて運営されていました。この間も、県民への情報提供を継続するための努力が払われていたことが伺えます。

近年の状況とサービス

2023年現在、約66万冊の蔵書数を誇ります。蔵書閲覧は自由ですが、貸し出しには兵庫県内在住・在勤・在学の登録が必要です。貸出期間は3週間で、1度の延長も可能です。さらに、国立国会図書館や他の図書館の資料を借り受けて閲覧することもできます。インターネット貸出サービスも提供しており、県内在住者は居住地の図書館でも貸出・返却が可能です。これらのサービスを通して、県民の読書環境の充実と学習機会の拡大に貢献しています。

立地とアクセス

兵庫県立明石公園という自然豊かな環境の中にあり、明石市立文化博物館や明石市立明石小学校など、他の文化施設にも隣接しています。アクセスはJR西日本明石駅、山陽電鉄山陽[[明石駅]]から徒歩約600メートル、または神姫バス、山陽バスを利用できます。

明石市立図書館との関係

当初は明石市立図書館と一体の建物で、県市合同で整備されたコンセプトに基づいていました。しかし、運営主体が異なるため、両館の行き来は通路を経由しても不可能でした。明石市立図書館は2017年に移転し、「あかし市民図書館」となりました。旧本館の2階には「あかしふるさと図書館」が設置されましたが、2020年3月に閉館しています。

類似事例

県市合同で整備された県立図書館としては、オーテピア高知図書館（高知県・高知市合同）とミライon図書館（長崎県・大村市合同）があります。これらの図書館も、それぞれの地域における情報拠点として重要な役割を果たしています。

まとめ

兵庫県立図書館は、その歴史、立地、サービスの多様性において、独特の個性を持つ図書館です。明石公園という魅力的な環境の中で、県民に学びと知識を提供し続けています。今後も、地域社会の知的基盤として、その役割を担い続けることが期待されます。

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