冷蔵倉庫

冷蔵倉庫について

冷蔵倉庫は、生鮮食品や冷凍食品などを低温条件で保管するための専門的な施設です。特に、温度が10℃以下に設定された倉庫として日本では広く用いられています。冷蔵倉庫は穀物倉庫などと同様に特殊倉庫に分類され、その機能と重要性は食品の鮮度を保つために不可欠です。

冷蔵倉庫の歴史

アメリカ

19世紀の後半、アメリカにおいて倉庫業が発展する中で、従来の倉庫から特殊な倉庫、特に冷蔵倉庫が生まれました。この変革は、産業資本主義から独占資本主義への移行に伴うもので、1880年にはボストンとシカゴにおいて冷蔵倉庫が設立されました。アメリカの食品業界は主に肉類加工業が主流で、冷蔵倉庫事業もこの肉類業界からの需要に応じて発展しました。

日本

日本では、冷蔵倉庫の歴史はアメリカとは異なる背景を持っています。日本の食文化は魚類を中心に形成されており、特に回遊魚の保存には冷蔵技術が不可欠でした。1899年には日本初の冷蔵倉庫が鳥取県米子町にオープンし、アメリカ製のアンモニア冷凍機が鮮魚の冷却に使用されました。しかし、当初の需要は少なく、業界は厳しい状況に直面しました。その後、1920年には北海道森町に新たな冷蔵倉庫が設立され、冷凍食品製造が開始されるなど、日本の冷蔵業が徐々に確立されていきました。

現在、日本における冷蔵倉庫は二つのカテゴリに分けられます。自家用冷蔵倉庫と正式な営業冷蔵倉庫で、自家用は1,567ヶ所、営業用は1,626ヶ所存在します。保管能力も自家用が521万m3、営業用が2901万m3であるなど、施設数や能力において地域ごとの違いが見られます。特に、神奈川県、東京都、北海道には多くの冷蔵倉庫があり、水産物に重点を置いた保管が行われています。

保管温度帯と冷却方式

冷蔵倉庫は、保管温度帯に基づいていくつかのクラスに分かれています。例えば、C3級は+10℃以下-2℃未満の範囲にあり、C1級からF4級までの各級に応じて、契約者のニーズに合った保管が行われます。冷却方式には集中式と個別式の二つがあります。集中式は大容量の冷凍機が複数の冷蔵室を冷却しますが、安価な個別式が主流になる傾向があります。

冷却負荷は冷蔵室の壁や天井からの侵入熱、貯蔵品の冷却にかかる冷却熱、送風機の発生熱などから構成されます。これらの熱を軽減するために、ウレタンフォームやグラスウールなどの断熱材が活用されています。

まとめ

冷蔵倉庫は、食材の鮮度を保持し、食品の流通に欠かせない重要な役割を果たしています。日本の冷蔵庫業は、その歴史と発展を経て、今や多岐にわたる冷却技術や管理方法を持つ事業へと成長しています。

もう一度検索