切り株

切り株とは

切り株とは、樹木が伐採された後に残る、根元の部分を指します。根株、伐り株、切株とも呼ばれます。伐採後も切り株は生きており、その周囲から新たな芽である蘖（ひこばえ）が生じることがあります。この蘖から新たな樹木が育つことを萌芽更新といいます。また、切り株があった場所に他の木の種が着床し、以前そこを覆っていた木がなくなったことで、日光を浴びて成長することも、切り株更新と呼ばれます。

切り株の除去

切り株を除去する際には、いくつかの方法が用いられます。一つは、切り株グラインダーや、専用のアタッチメントを装着した重機で物理的に破壊する方法です。もう一つは、木の分解を加速させる薬剤を使用する方法です。具体的には、硝酸カリウムを含む切り株除去剤や除草剤を切り株に注入し、腐らせて除去します。

切り株の利用

切り株は、その不整形な形状から利用が限られる傾向にあります。伐根には大きな労力を要する割に、土砂などの異物を含み、材質も均一でないため、木材としての利用はあまり一般的ではありません。しかし、建設現場で発生する伐根は、建設副産物の産業廃棄物として扱われ、再資源化に努めることが求められています。

一方で、切り株の独特な形状を活かした利用法も存在します。例えば、家具の一部に利用したり、ナンテンのように枝幹が細い植物の根株を工芸用材として使用することがあります。また、切り株を模したデザインの園芸用小物なども見られます。

屋久杉に関しては、1982年以降、樹齢1000年を超える木の伐採は禁止されていますが、強風で倒れた木や切り株などの土埋木が利用されています。さらに、太平洋戦争中には、マツの切り株から松根油を採取し、代替ガソリンとして大規模に利用しようとする試みも行われました。

その他の情報

関連する情報として、屋久島で保護されている切り株である「ウィルソン株」があります。

切り株は、伐採された木の残骸としてだけでなく、自然の営みや人間の活動と深く関わる存在です。

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