初売り

初売りとは

初売り（はつうり）とは、新年に最初に商品を販売することを指します。近年ではこの言葉は主に小売店の営業に使われ、年の始まりを祝う意味合いを含んでいます。特に、初売りの日には運試しの象徴として『福袋』が販売され、顧客に新しい年の幸運を呼び込む期待を与えています。この日に行われる買い物を『初買い（はつかい）』と呼ぶこともあります。

現代における初売り

以前は、初売りは特定の日、主に1月4日以降に行われることが一般的でした。しかし、1980年代の前半までは官庁業務の開始に重なることが多く、そのため小売店も同様のタイミングで初売りを行う傾向がありました。ですが、現在ではコンビニエンスストアやファーストフード店が24時間営業をしていることから、初売りの時期は大きく変わり、元日に初売りを行うことが珍しくなくなっています。多くの店舗が元日の0時から初売りを始め、休業する店も多くは1月2日までには営業を再開し、初売りを行うようになっています。

さらに、ファッションビルや百貨店では、初売りの後に冬のバーゲンセールを実施することも増加しています。このため、店舗は正月を返上して準備に追われることが一般的な状況となっています。また、2019年には平成から令和へと改元が行われ、この年の初売りでは『令和の初売り』を行う店舗も多く見られました。

明治時代の初売り

歴史的な視点から見ると、明治時代の初売りは非常に賑わいを見せていました。特に、魚河岸（うおがし）での初売りは当時の人々にとっても特別なイベントであり、1月1日のみ休業し、2日に初売りを行いました。店先には新鮮な鯛や鮪、蛸などが積み上げられ、料理屋の主人や小売業者たちは細い義理でその場に詰めかけることが多かったと伝えられています。この時期に客が訪れる数は数万人にも及んだという記録が残っています。

伝統行事としての初売り

初売りは単なるショッピングイベントとして留まらず、地域の伝統行事としても脚光を浴びています。特に『仙台初売り』や『佐世保初売り』といったイベントは、多くの人々が訪れ、地元の経済活動を活性化させる重要な役割を果たしています。これらの行事は、地域の文化や習慣を反映し、参加者に新年の幸運を祝う機会を提供しています。

関連項目

• - 福袋
• - 初荷
• - 大発会・大納会
• - 年末年始 - 正月

このように、初売りは単なる商業行為にとどまらず、文化や伝統、祝祭の一部としての側面も持ち合わせています。

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