劇画村塾

劇画村塾とは

劇画村塾は、漫画原作者および映画原作者の養成を目的とした私塾です。正式名称は「小池一夫劇画村塾」。漫画原作者の第一人者であった小池一夫が「劇画の衰退を食い止めるため」という想いを胸に、1977年に開講しました。

歴史

1977年に開講し、数多くの漫画家やクリエイターを育成。1988年に一度中断しましたが、2000年に大阪芸術大学で開講した「小池ゼミ」、2003年の「小池一夫塾」を経て、2006年に再開しました。2007年9月には株式会社化。

2009年に再び中断しましたが、2011年からはWEB講座として再開し、その後、直接授業も開始。2014年1月からは時代劇クリエイターを育成するための「時代劇画村塾」も開講しました。

その後は散発的な活動の後、小池一夫の逝去により自然消滅しました。

特徴

劇画村塾の一貫した教えは「キャラが起ってないとだめ。キャラが起ってれば面白い漫画」というものでした。小池一夫は、キャラクターの重要性を常に説いていたことが伺えます。

80年代には、スタジオ・シップから内部誌「劇画村塾」と外部誌「Comic劇画村塾」が発刊されていました。

カリキュラム

昭和期の劇画村塾は、「劇画科」と「原作科」で構成され、両科を履修することも可能でした。当初は編集者育成のコースもありましたが、受講生が少なかったため、後に廃止されています。

約1年の講義の後、卒業となりますが、優秀者は「特別研修生」として選出され、2年目の「特別研修会」に出ることを許されました。6期以降のカリキュラムは1年間となり、11期以降は6か月間。科目名も現在は「原作者コース」「漫画家コース」と改められています。

小池一夫塾では、東北新社映像テクノアカデミアの協力を得て開塾。約1年の講義で卒業となるシステムは同じでした。第1期は「原作者コース」「漫画家コース」「ゲームクリエイターコース」で構成されていました。

キャラクターマンWEB講座では、Ustreamで週1回、6か月間にわたって通信講座を開講。受講生は同配信を自宅PCで聴講するほか、人数限定で会場での直接聴講も可能でした。課題ないし作品の提出を随時に受け付けており、小池による添削指導が行われていました。

2013年4月からは、「キャラクターマン講座＋WEB」を開始。参加者は教室での直接講義とWEB講義の二通りのコースを選択することができるようになりました。

2014年1月からは、時代劇に特化した「小池一夫時代劇村塾」を開始。キャラクターマン講座同様、直接講義とWEB講義の二つのコースがありました。

主な卒業生

高橋留美子
原哲夫
堀井雄二
板垣恵介
さくまあきら
狩撫麻礼
菊地秀行

など、数多くの著名な漫画家やクリエイターを輩出しています。

教科書

劇画村塾の授業内容は「コミック劇画村塾」に連載され、それを1冊にまとめた教科書が1985年に発行されました。2000年より、教科書を増補・発展させたキャラクター原論3部作が発行され、多くの人に劇画村塾の創作メソッドが公開されています。

小池一夫の誌上劇画村塾（1985年）
キャラクターはこう動かす!（2000年）
キャラクターはこう創る!（2000年）
キャラクターはこう活かす!―スーパーキャラクターを創ろう（2001年）
大阪芸術大学 小池一夫のキャラクター造形学（2006年）
人を惹きつける技術―カリスマ劇画原作者が指南する売れるキャラの創り方（2010年）
小池一夫のキャラクター新論 ソーシャルメディアが動かすキャラクターの力（2011年）
ホット&クール! ローソンのソーシャル・キャラクター戦略（2013年）
リドル✕ドリル 小池一夫のキャラクターメソッド（2016年）
小池一夫のキャラクター創造論（2016年）
小池一夫のキャラクター進化論(1) 漫画原作マル秘の書き方≪まンげン・ピ!≫（2018年）
* 小池一夫のキャラクター進化論(2) 変化と進化のスーパーキャラクター≪へンしン・パ!≫（2018年）

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