加茂荘花鳥園

加茂荘花鳥園について

加茂荘花鳥園（かもそうかちょうえん）は、静岡県掛川市の原里に位置する庭園兼ナーセリーです。ここは、美しい花や自然観察が楽しめるスポットで、特にアジサイや花菖蒲の展示が魅力となっています。この施設は、江戸時代中期に建てられた庄屋屋敷「加茂荘」を中心に、温室やハナショウブ園などから構成されています。

歴史

この場所は、1957年（昭和32年）に「加茂花菖蒲園」として創設されました。創設者は加茂元照氏で、地域の農業や花の栽培に貢献してきました。2014年（平成26年）には、名称が加茂荘花鳥園に変更され、より広範な植物の展示や体験が提供されるようになりました。

しかし、環境の変化や運営上の課題を抱え、2024年（令和6年）12月から休園が決定されました。2025年（令和7年）1月23日には、運営を行っていた加茂株式会社が東京地裁より破産開始決定を受けました。このニュースにより、地域の多くの訪問者からの関心と懸念が寄せられました。しかし、創業家の加茂園主は、その後個人事業主として事業の引き継ぎや運営方法を模索しており、2025年5月から6月22日までの開園を予定しています。未来の運営計画については、詳細が未定ですが、地域の人々や引き続き訪れる人々にとって、再開が期待されています。

花菖蒲園の魅力

加茂荘花鳥園の最大の魅力は、花菖蒲園です。4月下旬から6月末頃の開花シーズンには、約10,000㎡の敷地に1500品種、100万株の花菖蒲が咲き誇ります。美しい花々は訪れる人々を魅了し、写真撮影や散策にとても適した環境を提供しています。

さらに、敷地内には多目的温室も完備されていて、約3,000㎡の広さでアジサイや球根ベゴニア、ストレプトカーパスなどが栽培されています。この温室内では、植物を鑑賞しつつ、喫茶や食事を楽しむこともでき、癒しのひとときを過ごすことができます。

加茂荘との文化的な関連

加茂荘は、桃山時代から続く豪農・庄屋の屋敷であり、現在もその姿を保っています。この建物は江戸時代中期に建立されたもので、保存状態が非常に良いことから、映画やアニメのロケ地としても数多く利用されています。例えば、2010年公開の映画『雷桜』や、2011年のノンフィクション映画『百合子、ダスヴィダーニヤ』、さらに2012年のテレビアニメ『氷菓』には、加茂荘の美しい風景が登場しています。これらの作品を通じて、加茂荘の魅力が広く認識されています。

アクセス

加茂荘花鳥園へのアクセスは、鉄道が便利です。天竜浜名湖鉄道の天竜浜名湖線を利用し、原田駅からは徒歩で15〜20分程度の距離にあります。また、原谷駅からは送迎バスが運行されており、訪問者には便利な交通手段となっています。

このように、加茂荘花鳥園は自然や文化が融合した素晴らしい場所であり、訪れる価値が高い施設です。地域の魅力を再発見するために、ぜひ一度足を運んでみてください。

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