加齢臭

加齢臭とは

加齢臭は、一般的に中年以降の男女にみられる特有の体臭を指す俗称です。資生堂の研究により、その主要な原因物質の一つが「2-ノネナール」であることが1999年に発表されました。

加齢臭の原因物質

加齢臭の主な原因物質は以下の2つです。

2-ノネナール (C9H16O): 青臭さと脂臭さを併せ持つ物質で、加齢とともに増加する傾向があります。9-ヘキサデセン酸が分解されることで生成され、蝋燭やチーズ、古本のような臭いと表現されることもあります。
ペラルゴン酸 (C9H18O2): ライオンの研究により発見された物質で、2-ノネナールとは異なる加齢臭の原因となります。主に30代から増加すると報告されています。

近年では、マンダムの研究により、30代から40代の男性の体臭の原因として、ジアセチルという物質も特定されています。ジアセチルは、酢の120倍にもなる強い脂臭を持つとされています。

加齢臭の発生メカニズム

加齢臭の原因となるノネナールは、皮脂中の9-ヘキサデセン酸が酸化・分解されることで生成されます。加齢とともに抗酸化力が低下し、9-ヘキサデセン酸が分解されやすくなるため、ノネナールの生成量が増加すると考えられています。また、喫煙は悪臭を強める傾向にあるとされていますが、詳しいメカニズムはまだ解明されていません。

男性の場合、女性に比べて汗や皮脂の分泌が多いため、体臭が強くなる傾向があります。男性ホルモンが皮脂腺の発達を促し、皮脂の分泌量が増えることも、加齢臭を強める一因です。

加齢臭の対策

加齢臭を抑えるためには、以下の対策が有効です。

体を清潔に保つ: 丁寧な洗体やシャワーによって、皮脂や汚れを洗い流すことが重要です。
抗酸化剤の摂取: チオタウリンなどの抗酸化剤は、9-ヘキサデセン酸の分解を抑制する効果があります。
抗菌剤の使用: 抗菌剤は、皮膚上の細菌の繁殖を抑え、臭いの発生を防ぎます。
消臭効果のある製品の利用: 機能性香料やミョウバン溶液、消臭加工された繊維製品などを活用することで、臭いを軽減できます。

その他の体臭

加齢臭以外にも、ミドル脂臭など、年齢や性別によって様々な体臭が存在します。それぞれの体臭の原因物質や対策方法を理解し、適切なケアを行うことが大切です。

加齢臭は、誰にでも起こりうる自然な現象です。しかし、適切な対策を行うことで、臭いを抑え、快適な生活を送ることができます。

参考文献
“2-Nonenal Newly Found in Human Body Odor Tends to Increase with Aging”. Journal of Investigative Dermatology 116: 520-4. (2001). doi:10.1046/j.0022-202x.2001.01287.x.

関連項目
体臭
* ミドル脂臭

もう一度検索