皮脂

皮脂とは？その構成成分と役割、ニキビとの関係

皮脂は、皮脂腺から分泌される油性の液体で、トリグリセリド、ワックスエステル、スクアレンなどを主成分としています。これらの成分は、皮膚の常在菌によって分解され、脂肪酸などを生成します。皮脂は、皮膚や毛髪の表面に薄い膜を形成し、外部刺激から保護したり、水分を保持したりする重要な役割を果たしています。また、皮脂に含まれる脂肪酸は、皮膚を弱酸性に保ち、病原菌の繁殖を抑制する効果もあります。

皮脂の構成成分

皮脂の主な構成成分は以下の通りです。

トリグリセリド
ワックスエステル
スクアレン
脂肪酸（ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、サピエン酸、パルミトレイン酸など）
ステロールエステル
コレステロール
* コレステロールエステル

これらの成分は、皮膚の常在菌によって分解され、ジグリセリド、モノグリセリド、遊離脂肪酸などを生成します。特に、遊離脂肪酸は、皮膚のpHを弱酸性に保ち、抗菌作用を発揮する上で重要な役割を果たします。

皮脂とニキビの関係

思春期になると、性ホルモンの影響で皮脂の分泌が活発になります。過剰な皮脂は、毛穴に詰まりやすく、角質と混ざり合って角栓を形成します。この角栓が毛穴を塞ぎ、アクネ菌が増殖することで炎症が起こり、ニキビが発生します。

ニキビ治療においては、皮脂の分泌を抑制したり、毛穴の詰まりを解消したりすることが重要です。また、抗生物質を使用してアクネ菌を殺菌する方法もあります。近年では、アゼライン酸やサリチル酸などの成分が、ニキビ治療の選択肢として注目されています。

皮脂と有害物質の排出

皮脂は、体内の有害物質を排出する役割も担っています。PCBやダイオキシン類などの脂溶性の有害物質は、主に糞便と皮脂を通じて体外に排出されます。油症事件の治療研究では、皮脂からの有害物質の排出量が、糞便からの排出量を上回る場合もあることが示されています。

まとめ

皮脂は、皮膚の保護や保湿、抗菌作用など、様々な重要な役割を担っています。しかし、過剰な皮脂はニキビの原因となることもあります。適切なスキンケアを行い、皮脂のバランスを保つことが、健康な肌を維持するために重要です。また、皮脂は体内の有害物質を排出する役割も担っていることがわかっています。

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