動物看護師

動物看護師の役割と資格

動物看護師は、獣医師の診療を補助する専門職であり、その役割や資格は国によって異なります。本記事では、各国の動物看護師に関連する資格の取得過程や、具体的な業務の範囲について詳しく解説します。

イギリス

イギリスでは、「認定獣医療看護師」という国家資格が存在します。この資格を取得するためには、まず11年間の初等及び中等教育を修了する必要があります。その後、王立獣医師協会が認定する教育機関と提携する臨床訓練施設において、2年間の実地研修を行うか、王立獣医師協会が認定した大学の3年以上の課程を修了することで、資格を得ることができます。この資格を持つ動物看護師は、内科的な処置だけでなく、体腔内に及ばない外科的処置も行えるため、業務の幅が広いと言えます。

スイス

スイスにおいては、「動物臨床アシスタント」という連邦資格があります。この資格取得のためには、約9年の初等及び中等教育を受けた後、動物診療施設での勤務と並行して職業学校に通学し、3年間の教育を受ける必要があります。このプロセスを経て資格を得ることができます。スイスの動物臨床アシスタントは、抜歯や皮膚縫合、X線撮影など、幅広い業務をこなすことが可能です。

アメリカ

アメリカでは、動物看護師は州によって異なる名称を持ちますが、一般的には「登録獣医療技術師」または「認定獣医療技術師」と呼ばれます。各州の獣医事委員会が資格認定を行い、業務の範囲も多岐にわたります。資格取得には、まず12年間の初等及び中等教育を修了し、全米獣医師会が認定した専門学校や大学でプログラムを修了することが求められます。そして、国家試験及び各州の試験に合格することで、資格を取得する流れとなります。この資格を持つ者は、抜歯、皮膚縫合、麻酔管理などの業務を行うことができます。

オーストラリア

オーストラリアでは、「獣医療看護師」という州政府認定の資格があります。資格を得るためには、10年間の初等及び中等教育を終え、国が認定した機関で策定されたカリキュラムに基づく職業訓練を受ける必要があります。オーストラリアの獣医療看護師も、抜歯や皮膚縫合などの幅広い業務を行うことができるのが特徴です。

日本

日本における「愛玩動物看護師」という国家資格は、12年間の初等及び中等教育を修了した後、認可された大学または地方庁が指定した養成所で必要な教育課程を修了し、国家試験に合格することが求められます。ただし、この資格は愛玩動物のみを対象としており、業務範囲は主に投薬や採血、採尿に限られています。

韓国

韓国では「動物保健士」という国家資格がありますが、診療の補助範囲が他国に比べて狭く制限されています。投薬や注射、採血を行うことはできません。この資格を取得するためには、国の評価認証を受けた専門大学を卒業し、資格試験に合格することが必要です。

結論

動物看護師は、獣医療において重要な役割を果たしていますが、その資格や業務内容は国によって様々です。それぞれの国の制度を理解することは、国際的な獣医療の発展に貢献することでしょう。

もう一度検索