勝鬨橋

勝鬨橋：隅田川に架かる歴史的建造物

勝鬨橋は、東京都中央区を流れる隅田川に架かる橋で、晴海通りが通っています。かつては可動橋（跳開橋）として活躍していましたが、1980年以降は開閉されることはありません。

概要

勝鬨橋は、そのユニークな構造で知られています。中央部分が跳ね上がることで大型船舶の航行を可能にしていましたが、現在はその機能は停止しています。近年、跳開を復活させようという動きもありますが、多額の費用や交通量の問題から実現には至っていません。

歴史

架橋の計画は明治時代から存在しましたが、実現したのは1929年。日露戦争の戦勝記念として設けられた「勝鬨の渡し」が、橋の建設のきっかけとなりました。当時、月島には工場が多く、交通需要が高かったため、東京港修築計画の一環として架橋が決定しました。

建設当時は隅田川を航行する船舶が多く、水運を優先するために可動橋として設計されました。3,000トン級の船舶が航行できるよう、橋の中央部が跳ね上がる構造が採用されました。1933年に工事が始まり、1940年に完成。「東洋一の可動橋」として評判を博しました。

1947年から1968年までは都電も橋上を走っていましたが、船舶の通行量の減少と道路交通量の増加により、跳開回数は減少。1970年11月29日を最後に開閉は停止され、1980年には電力供給も停止されました。

構造・運用

橋の両端はアーチ橋、中央部は跳開部という構造です。跳開部は最大70度まで開き、約70秒で全開になります。開閉機構には、速度制御が容易な直流電動機が採用されました。橋の操作は、橋梁上にある運転室で行います。

開閉部の機械設備は、2017年度に日本機械学会から機械遺産に認定されています。

文化財としての価値

勝鬨橋は、2007年に国の重要文化財に指定されました。その歴史的、技術的な価値が認められたものです。橋のたもとには「かちどき橋の資料館」があり、勝鬨橋に関する情報を知ることができます。

登場作品

勝鬨橋は、多くの小説、映画、テレビドラマ、漫画、アニメなどの作品に登場しています。例えば、映画『ゴジラ』ではゴジラによってひっくり返されるシーンが描かれています。

まとめ

勝鬨橋は、その歴史的な背景とユニークな構造から、東京のシンボルの一つとなっています。現在は開閉されることはありませんが、その姿は多くの人々に愛され、様々な作品に登場し続けています。橋を訪れる際には、資料館でその歴史や構造について学んでみてはいかがでしょうか。

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