北海道立文書館

北海道立文書館：北海道の歴史を刻む宝庫

北海道立文書館は、1985年の開館以来、北海道の歴史を物語る数々の史料を収集・保存し、一般公開することで、歴史研究や教育に貢献しています。本館は北海道立図書館と隣接しており、アクセスも良好です。

多彩な史料コレクション

館内には、公文書、私文書、刊行物など、実に約26万9千点もの史料が収蔵されています。その中には、2004年に国の重要文化財に指定された箱館奉行所文書をはじめ、北海道開拓の歴史を伝える貴重な資料が数多く含まれています。

特に注目すべきは、開拓使時代の行政活動を記録した『開拓使文書』です。この文書は、北海道開拓の経緯や政策、社会情勢など、多角的な視点から北海道の歴史を理解する上で欠かせない情報源となっています。また、『北海道国有未開地処分法完結文書』は、開拓時代の土地政策や入植者の生活を知る上で重要な史料です。これらの史料は、北海道の歴史研究において、極めて重要な役割を果たしています。

歴史研究を促進する活動

北海道立文書館は、史料の保存・公開だけでなく、歴史研究の促進にも力を入れています。1986年から、一般市民を対象とした古文書解読講座や講演会などを開催し、歴史への関心を高める活動を行っています。現在では、「古文書解読講座」、「赤れんが夜学校」、「古文書教室」、「古文書解読自習プログラム」など、多様なプログラムを提供しています。これらの講座では、館蔵資料を教材として用いることで、実践的な学習機会を提供しています。

さらに、夏休み子ども歴史教室や文書館利用講座、市町村職員向けの研修会なども開催しており、幅広い層を対象とした教育活動を行っています。これらの活動を通じて、北海道の歴史を次世代へと継承していくための取り組みを積極的に行っています。

設立への道のりと規模縮小問題

北海道立文書館の設立は、1950年代後半から続く、歴史研究者や市町村史編纂担当者からの強い要望が背景にあります。長年にわたる議論と努力の末、1985年にようやく開館に漕ぎ着けました。しかし、2005年には行財政改革の一環として、文書館の民間委託などが検討されました。歴史研究団体などの反対運動により直営方式は維持されましたが、規模縮小や人員削減などの影響を受けました。現在も、設立当初の活動を維持できるかどうかは課題となっています。

文書館の概要

所在地: 北海道札幌市中央区北1条西5丁目1-2
マスコットキャラクター: ラッコをモチーフとした「もんちゃん」
* キャッチフレーズ: 「赤れんがで、アーカイブする。」

北海道立文書館は、北海道の歴史を深く理解するための貴重な拠点であり、今後もその役割を担い続けることが期待されています。

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