半月板損傷

半月板損傷（Meniscal Lesions of the Knee）

半月板損傷は、膝関節内に存在する内側半月板および外側半月板の損傷や断裂を指します。この状態は、特にスポーツ活動中や交通事故、職場での怪我などによって引き起こされることが多いです。大きく分けて、正常型と円板型の2種類に分類され、これらの病態は異なります。

正常型（Normal Meniscus）

正常型は主に若年の男性に多く見られ、外傷の多くは外側半月板に発生しますが、最近のスポーツ活動の増加により内側半月板の損傷も増加しています。特に後節部の断裂が目立ちます。症状としては、疼痛、腫れ、歩行困難、膝の曲がり方に異常を感じる「膝折れ現象」などがあります。これらの他に、可動範囲の制限、筋肉の萎縮、出血による腫れなども現れることがあり、医療機関での診断が求められます。

円板型（Discoid Meniscus）

円板型は、幼少期から見られる先天性の形態異常であり、若年層や特に女性に多い傾向があります。この状態は、半月板が通常より厚く、幅広いために、変性が進行しやすく、弾発膝や嵌頓の症状を引き起こすことがあります。一般的に外側半月板への影響が大きいとされています。

半月板損傷の治療

治療法は損傷の内容によって異なります。外傷の急性期においては、保存的な治療が行われることが多いですが、重度の損傷が見られる場合、手術による縫合や切除が考慮されます。最近では、関節鏡視下手術という方法が一般化しており、これにより侵襲が少なく、回復が早い治療が可能になってきています。また、半月板に関連する症状として、半月嚢腫や骨化症などの障害も報告されています。

ばね膝（Snapping Knee）

半月板損傷に関連する症状として、ばね膝があります。これは、膝関節を屈伸する際に、特定の角度で抵抗を感じ、その後急に屈伸できる現象です。円板状半月の厚みが変化し、運動に伴い内部で変性が生じることが原因とされます。

マックマレーテスト（McMurray Test）

半月板損傷の診断には、マックマレーテストが用いられます。1928年に提唱されたこの検査法は、内側半月の障害を評価するためのもので、被検者は仰向けの姿勢で、医師が膝関節を特定の動作でストレスをかけて半月の反応を調べます。

まとめ

半月板損傷は運動や事故によって引き起こされることが多く、適切な治療が求められます。その肥厚や形状の異常が症状の進行に影響を与えることもあり、早期の診断と治療が大切です。

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