南魚沼土地改良区

南魚沼土地改良区（みなみうおぬまとちかいりょうく）は、新潟県南魚沼市六日町にその本所を構える土地改良区です。一般には「水土里ネット南魚土改（みどりネットみなみうおどかい）」という略称で親しまれています。管轄する地区面積は広大で、新潟県内にある土地改良区の中でも9番目の規模を誇ります。

沿革

この土地改良区は、比較的新しい組織です。2009年（平成21年）2月1日に、当時の新潟県から三つの土地改良区が合併することの認可を受け、新たに発足しました。合併の母体となったのは、以下の三つの組織です。

塩沢東部土地改良区: 1991年（平成3年）4月1日に、それまで存在した中之島土地改良区（1952年設立）と上田土地改良区（1959年に横江堰水利組合が発展解消して設立）が合併して誕生しました。合併時の受益面積は約1,360ヘクタール、組合員数は1,587人でした。
塩沢土地改良区: 1953年（昭和28年）3月31日に設立された後、1967年（昭和42年）4月1日には石打村土地改良区を編入合併しました。合併後の受益面積は約1,087ヘクタール、組合員数は1,458人でした。
南魚沼中央土地改良区: いくつかの組織が段階的に合併して成立しています。1967年（昭和42年）11月に西部土地改良区と、その後1980年（昭和55年）3月には大巻土地改良区、そして1984年（昭和59年）3月には六日町土地改良区が合併しました。これにより、受益面積は約1,290ヘクタール、組合員数は1,882人という規模になりました。この地域への用水供給は主に魚野川から行われ、特に天野沢揚水機場は約742ヘクタール、宇津野揚水機場は約150ヘクタールの地域に水を供給しています。

これら三つの歴史を持つ土地改良区が統合され、現在の南魚沼土地改良区が設立されました。

主な出来事

設立から間もない2011年（平成23年）7月30日には、新潟県と福島県を襲った記録的な豪雨により、管轄区域内で甚大な被害を受けました。この豪雨により、農地と農業関連施設に多大な損害が発生しました。

農地の被害: 合計755ヶ所で被害が発生し、被害額は約26億1千万円に上りました。このうち田の被害は696ヶ所で約24億7千万円、畑の被害は59ヶ所で約1億4千万円でした。
施設の被害: 合計658ヶ所の施設が被害を受け、被害額は約22億4千万円でした。具体的な内訳としては、ため池14ヶ所（約5千万円）、頭首工14ヶ所（約2千万円）、用水路230ヶ所（約8億2千万円）、排水路220ヶ所（約3億6千万円）、用排水路16ヶ所（約3千万円）、揚水機4ヶ所（約2億2千万円）、道路153ヶ所（約4億8千万円）、橋梁5ヶ所（約4千万円）、農地保全に関する被害2ヶ所（約2億1千万円）などが含まれます。

この大規模な被害からの復旧は、土地改良区にとって重要な課題となりました。

また、地域におけるエネルギーの有効活用として、小水力発電の導入可能性についての調査も実施しています。

概要

現在の南魚沼土地改良区の概要は以下の通りです。

地区面積: 合計4,097ヘクタールを管理しています。このうち、田が3,265ヘクタール、畑が307ヘクタール、その他の土地が524ヘクタールとなっています。
組合員数: 4,904人の組合員によって構成されています。
職員数: 12名の職員が日々の業務に従事しています。
* 本所所在地: 〒949-6623 新潟県南魚沼市六日町949-6に位置しています。

土地改良区の主な役割は、農業生産の基盤となる水路、ため池、農道などのインフラを整備し、適切に維持管理することです。これにより、農地への安定した農業用水の供給や排水の改善、農地の保全を図り、地域の農業生産性の向上と持続可能な農業経営を支援しています。特に南魚沼地域は高品質な米の産地として知られており、その生産を支える農業用水の確保と管理は、土地改良区の最も重要な使命の一つです。

関連事項

土地改良区の活動は、土地改良法に基づいています。また、管轄地域に関連する課題としては、東京電力湯沢発電所の水利権問題などがあります。地域の水環境に関する取り組みでは、新潟県魚野川流域水環境検討協議会と連携しています。再生可能エネルギーの推進としては、新潟県の農業水利施設を活用した小水力等利用促進に関する情報発信も行われています。これらの活動は、水土里ネット新潟などの組織とも連携しながら進められています。

南魚沼土地改良区は、地域の農業とそこに暮らす人々を支えるため、農業基盤の維持・管理はもとより、環境保全や多角的な視点からの地域貢献にも取り組んでいます。地域にとって欠かせない重要なインフラ組織として、その役割を担っています。

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