占守島

占守島（しゅむしゅとう）について

占守島は千島列島の北東端にある島で、ロシアではシュムシュ島（о.Шумшу）と呼ばれています。英語表記はShumshuです。この島はロシアによって実効支配されていますが、日本政府はサンフランシスコ条約締結以来、国際法上の領有権が未確定と主張しています。現在、占守島には灯台守だけが住んでおり、民間人は存在しません。島に上陸するためにはロシア国境軍の許可が必要で、ペトロパブロフスク・カムチャツキーからはヘリコプターで約2時間の距離にあります。

地理

占守島は、南西から北東にかけて約30キロメートルの長さを持ち、幅は最大で20キロメートルほどです。形状は楕円に近い特徴を持っています。島の北東にはカムチャツカ半島のロパトカ岬があり、占守海峡（ロシア名：第1クリル海峡）で接しています。また、西側の幌筵島とは幌筵海峡（波羅茂知海峡）で隔てられています。

島の北側は砂浜で構成されていますが、それ以外はほとんど崖や岩礁で覆われており、数カ所の緩やかな丘陵も存在します。海抜200メートル程度の高さの高台があり、そこには戦時中に日本軍の守備隊が本部を置いていた四嶺山（しれいさん）が位置しています。現在はその名残として、戦車や砲台、飛行場の跡が見られます。自然環境については、夏は冷涼で濃霧が多く、冬は非常に厳しい寒さが続きます。

島名の由来

占守島の名前は、元禄国絵図における地名「しいもし」や、鳥居龍蔵の記録に見られる「シュモチ」という名前に由来しています。また、アイヌ語に起源を持つ諸説も存在し、解釈の余地があるため、アイヌ研究家の山田秀三は「判断がつかない地名」とも述べています。

歴史

占守島には先史時代から人が居住しており、多くの海獣や鳥が生息していたため、古来より人々にとって暮らしやすい環境でした。1700年には「しいもし」という名が文献に記録されています。さらに、1711年と1713年にはロシア人が上陸し、アイヌの住民から毛皮税を徴収した記録があります。

1855年には日露和親条約の締結により、日本とロシアの領割が一旦確定しましたが、1875年には樺太・千島交換条約によって日本領となりました。この後、日本軍は島に駐屯し、漁業や工業が発展しました。特に、1910年にはカニの缶詰工場が設立され、戦前の島の最大人口は約1,000人に達しました。

1945年8月18日、日本がポツダム宣言を受諾した後、ソ連軍が占守島に上陸し、日本軍との間に戦闘が起こりました。最終的には日本軍が降伏し、占守島はソ連の管理下に置かれることとなります。日本政府はその後も占守島の帰属について未定であるという立場を取り続けています。

現在の状況

現在、占守島はロシア連邦の一部として実効支配されており、住民は灯台守のみです。軍事施設が少数存在するほか、他の地域との交流は非常に限られています。この島は独特の地理や歴史を有し、特異な存在感を放っています。近年、占守島に関連する調査も行われており、戦争の影響を受けた歴史的な資産への関心が高まっています。

文化と記録

占守島に関する文学作品や舞台作品も存在し、その歴史や文化的背景に多くの人々が興味を持っています。今後も占守島の価値は評価され続けることでしょう。

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