原ひろ子

原 ひろ子（はら ひろこ）: 日本の文化人類学者

原ひろ子は、1934年6月11日に京城府（現在のソウル）に生まれた文化人類学者であり、お茶の水女子大学の名誉教授です。彼女は文化人類学やジェンダー研究を専門にし、日本の科学において女性の地位向上を目指す活動をしてきました。2019年に85歳で亡くなるまで、原氏は多くの人々に影響を与え、学問の発展に貢献しました。

学歴と経歴

原ひろ子は、1957年に東京大学教養学部で文化人類学を学び、同大学院の修士課程を修了しました。その後、米国のブリンマー大学大学院で博士号を取得し、Ph.Dを持つ学者となりました。キャリアの初期に拓殖大学と法政大学で助教授を務め、1981年からお茶の水女子大学の教授に就任。その後、1998年に定年退官し名誉教授となり、放送大学や城西国際大学で教授職を務めました。

また、彼女は日本学術会議の連携会員や、日本女性監視機構の代表を務めるなど、女性の権利向上にも尽力しました。特に、アジア・太平洋地域の女性監視機構の代表として、国際的なジェンダー平等の推進活動にも関与しました。

主な業績と受賞歴

原ひろ子は、1989年に著書『ヘヤー・インディアンとその世界』により第2回新潮学芸賞を受賞し、2009年には平成21年度男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰も受けています。これらの受賞は、彼女の研究が日本社会における男女平等や多様性の実現に向けて重要なものであったことを示しています。彼女はまた、選択的夫婦別姓制度の導入を支持し、名前が違っても対等なパートナーシップが築けるとの見解を表明しました。

著作の数々

原ひろ子は著作家としても非常に多くの著作を残しました。単著の作品には、『極北のインディアン』や『人間はわかりあえるか ある文化人類学者の旅』、そして『子どもの文化人類学』などがあります。また、共著・編著としては『母たちの世代』や『働く女たちの時代』、『女性学ことはじめ』など、女性の視点から様々な社会問題に焦点を当てた内容が多くを占めています。

さらに、原氏は翻訳も手がけ、1979年にはランス・ベネットの『オーストラリア未開美術』を日本語に翻訳しています。彼女の論文は国立情報学研究所にも収録され、多方面にわたり日本の文化人類学の発展に寄与しました。

最後に

原ひろ子は、生涯を通じて文化人類学の視点から社会のさまざまな側面を考察し、多くの後進を指導してきました。彼女の存在は、日本の学界だけでなく世間一般にも大きな影響を与え、女性の権利や地位向上に貢献した偉大な学者として、今も多くの人々に尊敬され続けています。2019年10月7日に老衰で亡くなるまで、彼女の業績と思想は多くの人々に受け継がれています。

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