原良馬

原良馬の生涯と競馬ジャーナリストとしての功績

原良馬（はら りょうま、1933年10月25日 - 2019年7月24日）は、群馬県に生まれ、競馬ジャーナリストとして知られる人物です。彼は本名を荻原昻（おぎはら たかし）と言い、若いころには俳優としても活動していました。

略歴と俳優時代

東京都立北園高等学校を卒業後、慶應義塾大学に進学するも中退し、俳優座の6期生として入所しました。同期には山本學、市原悦子、大山のぶ代らがいました。俳優としてはNHKの連続ドラマ『バス通り裏』などに出演しましたが、後に宗教雑誌を発行する出版社で働き、その後、読売新聞東京本社の週刊読売に記者として入社します。

競馬ジャーナリストへの転身

1969年、スピードシンボリが勝利した有馬記念の特集記事を書いたことで競馬ジャーナリストを志すようになり、1970年にはデイリースポーツ東京本社に入社しました。当時の競馬記者は調教時計を測ることに主眼を置いていましたが、原は38歳でトラックマンデビューを果たし、厩舎取材に特化する独自のスタイルを確立します。この試みは高く評価され、他のスポーツ紙でも厩舎取材を重視するようになりました。

テレビとラジオでの活動

1981年からはテレビ東京の『土曜競馬中継』に解説者として出演を開始し、1987年からは司会兼スタジオメイン解説者となります。彼は1988年にデイリースポーツを退社し、その後フリーの競馬ライターとしての道を歩み始めました。1989年からはラジオたんぱの『中央競馬実況中継・土曜日午前』に参加し、多くの競馬ファンに親しまれる存在となりました。さらに、2008年からは「良馬がゆく」と題したトークイベントを全国各地で実施し、競馬愛好者との交流を深めました。

功績と受賞

原は2019年1月にJRA賞馬事文化賞功労賞を受賞し、その名声を高めました。晩年は健康を害し、『ウイニング競馬』などのメディア出演が減少していきますが、最後の公の場はJRA賞の表彰式であり、その際は車いすで出席しました。2019年7月24日、千葉県浦安市の自宅で85歳の生涯を閉じました。彼の死後、『ウイニング競馬』では追悼特集が組まれ、多くの競馬ファンに惜しまれました。

競馬取材のエピソード

原はデイリー入社2年目の1971年から1977年まで夏の北海道シリーズを担当し、長期にわたる取材活動を行いました。特に調教師の境勝太郎とのエピソードが有名で、彼の厩舎を訪問した際には、新鮮な魚介料理を共にするなどして仲を深めました。境との交流からは、競馬における多くの知見を得ることができ、双方にとって実り多い関係となりました。

さらに、横山富雄とも親しい友人関係を築き、夕食を共にしながら競馬談義に花を咲かせていました。取材の合間にこのような人間関係を築くことで、彼は駆け出し記者から成長していったのです。

思い出の名馬たち

原の記憶に残る名馬としては、カブラヤオーやハイセイコーが挙げられます。特にカブラヤオーはその出会いから連勝街道を驀進し、原は「カブラヤオー日記」をデイリー紙上で綴ることで競馬愛好者にその魅力を伝えました。盛んな取材活動を通じて彼の記憶には多くの名馬が刻まれ、競馬の楽しさを多くのファンに広めました。

まとめ

原良馬は、俳優から競馬ジャーナリストへの道を歩み、厩舎取材を重視するスタイルを確立したことで、多くの後輩たちに影響を与えました。彼の業績は競馬界に深く根付いており、彼が残した言葉や思い出は、今も多くの人々によって語り継がれています。彼が生きた時代と、その教えは今後も競馬界において重要な位置を占め続けるでしょう。

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