土曜競馬中継

土曜競馬中継：30年の歴史を彩った競馬中継番組

1970年4月から2000年3月まで、東京12チャンネル（現・テレビ東京）をキー局として放送された長寿番組『土曜競馬中継』。毎週土曜日の午後2時30分から、中央競馬の模様を生中継する人気番組でした。北海道、東北地方、新潟地方では放送時間が30分遅れてのスタートとなっていました。

番組は、競馬中継としては異例となる30年間という長期にわたり放送され、多くの競馬ファンに愛されました。1973年から1979年までは『ザ・ロンゲストショー』、1979年から1981年までは『ウィークエンド東京』といったワイドショー番組に内包される形で放送され、その後独立番組として放送枠が確保されました。後継番組は『ウイニング競馬』です。

キャストの変遷：数多くの個性豊かなメンバー

『土曜競馬中継』は、長年にわたる放送期間の中で、多くの司会者、解説者、実況アナウンサー、パドック担当者などが番組を彩りました。

司会は、石森一枝、長田渚左、小田切優美、久保田光彦、小坂巖、小島秀公、永井美帆、原良馬、松田京子、結城未来、横井ひろみなどが務め、それぞれに個性あふれる進行で番組を盛り上げました。特に、原良馬氏は解説者としての活動に加え、司会も兼務していました。石森一枝氏は、JRA元騎手である蛯名正義氏との結婚を機に番組を卒業しています。

解説陣は、競馬界の第一人者たちが多数名を連ねています。伊藤友康、井馬宏、梅崎晴光、榎本正男、大川慶次郎、及川義弘、桜井裕夫、田沼亨、早坂昇治、原良馬、三木和夫、森本常久、山岡孝安、吉沢宗一、渡辺正人など、ベテランから若手まで幅広い層の解説者が、競馬の魅力を分かりやすく解説していました。原良馬氏は司会も兼任し、ラジオNIKKEIでも解説を務めるなど、多方面で活躍していました。

実況アナウンサーには、小倉智昭、久保田光彦、小島秀公、島田弘久、土居壮、宮和夫、矢野吉彦、四家秀治らが務め、手に汗握るレース展開を臨場感あふれる実況で伝えました。小倉智昭氏は、後にフリーアナウンサーとして活躍することになります。

パドック担当として、小野寺直美、目黒貴子、山野京子（現在の清水優子）らが番組を支えました。目黒貴子氏は、番組終了後に『中央競馬ワイド中継』へ転出しました。

番組には、加藤みどりやボブ・ホークといったゲストも出演し、番組に華を添えました。

放送局と特記事項：全国ネットとローカル番組の連携

『土曜競馬中継』は、テレビ東京をキー局に、テレビ北海道、青森放送、東北放送、福島テレビ、新潟放送で放送されました。北海道では、テレビ北海道開局前は北海道テレビで不定期放送、札幌・函館開催時は『HTB土曜競馬中継』として独自放送されるなど、地域に密着した放送も行われていました。

中山金杯・京都金杯が平日に開催される場合や、春の天皇賞が特定の曜日に開催される場合は、『新春競馬中継』や『新春競馬金杯』として特別番組が放送されることもありました。

番組のエンディングテーマには、Dan Fogelbergの『Sutter's Mill』が使用されていました。

30年の歴史に幕：競馬中継番組の金字塔

『土曜競馬中継』は、30年間にわたる放送で、多くの競馬ファンに競馬中継の楽しみを届けてきました。多くの個性豊かなキャスト陣と、時代を反映した番組内容により、競馬中継番組における金字塔として、長く記憶に残る番組となりました。その歴史と、番組に携わった人々の功績は、後世に語り継がれていくことでしょう。

もう一度検索