反射衛星砲

反射衛星砲：宇宙戦艦ヤマトシリーズの強力な拠点防衛兵器

反射衛星砲は、宇宙戦艦ヤマトシリーズに登場するガミラス帝国のエネルギー兵器です。冥王星基地に配備され、拠点防衛を担う強力な存在として描かれています。特徴的なのは、その攻撃方法です。海底に設置された砲本体から発射されたエネルギーは、軌道上の反射衛星に送られ、衛星の反射板により任意の方向へ反射されます。これにより、事実上、惑星地表から宇宙空間まで死角のない攻撃を可能にしています。

反射衛星砲の仕組みと特徴

砲本体は透明なドームに覆われ、チューリップのような形状をしています。全周旋回が可能で、反射衛星との連携により広範囲の攻撃に対応します。反射衛星は、4枚の反射板を展開してエネルギーを受け止め、正確に目標へ反射します。ただし、反射衛星を経由するため、その位置が敵に捕捉されるという弱点も抱えています。また、目標が海中にある場合は、海面でビームが反射し攻撃が不可能になるという欠点も存在します。

ヤマトとの戦闘では、その破壊力は波動砲を上回ると言われていましたが、劇中ではヤマトを撃沈するほどの威力は示されていません。それでも、連続攻撃によりヤマトを冥王星の海に沈めるほどの脅威となる兵器であることは間違いありません。

各作品における反射衛星砲

『宇宙戦艦ヤマト』

オリジナルシリーズでは、第7話と第8話に登場。ヤマトの攻撃を受けつつも、反撃しヤマトを苦戦させます。しかし、ヤマトの特別攻撃隊により砲本体が爆破され、冥王星基地は壊滅します。松本零士氏の漫画版では、シュルツによるテスト射撃でダミーヤマトが破壊される描写がありますが、冥王星基地攻略エピソードがカットされたため、戦闘での活躍は不明です。

『宇宙戦艦ヤマト2199』

リメイク作品である『宇宙戦艦ヤマト2199』では、設定が変更されています。シュルツが陽電子砲を転用して開発した兵器とされ、反射衛星は反射板ではなく反射フィールドによってビームを反射するようになっています。ヤマトに3度の攻撃を成功させますが、反射衛星へのシグナルを逆探知され、衛星を破壊されてしまいます。最終的には、ヤマトの三式融合弾によって破壊されます。

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』

続編『宇宙戦艦ヤマト2202』では、ガトランティスがガミラスの技術をコピーした反射衛星砲が登場します。しかし、コピー品ゆえの性能不足からヤマトへの有効打を与えられず、逆にヤマトに制御衛星をハッキングされ、自滅に追い込まれます。

『宇宙戦艦ヤマトIII』

『宇宙戦艦ヤマトIII』では、改良型の新反射衛星砲が登場します。人工衛星ではなく、反射板搭載機を用いることで機動性を高め、死角を減らした攻撃が可能となっています。しかし、反射板搭載機の防御力の低さが弱点となり、ヤマトの反撃を許し、基地ごと破壊されます。

反射衛星砲に似た兵器

反射衛星砲は、後続の作品にも影響を与え、類似の兵器が数多く登場しています。『ムーの白鯨』のオリハルコンパワービーム、『ふしぎの海のナディア』のバベルの塔、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』のレクイエムなど、様々な作品で独自の解釈を加えられた同様の兵器を見ることができます。これらの兵器は、反射衛星砲のデザインやコンセプトを受け継ぎながらも、独自の進化を遂げています。

まとめ

反射衛星砲は、その独特の攻撃方法と、シリーズ作品における活躍によって、宇宙戦艦ヤマトシリーズを代表する兵器の一つとなっています。その強さと弱さ、そして後の作品への影響を考えると、反射衛星砲は単なる兵器ではなく、物語を彩る重要な要素であると言えるでしょう。

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