吉川英治記念館

吉川英治記念館：国民的作家の足跡を辿る

東京都青梅市にある吉川英治記念館は、作家・吉川英治の業績を称え、その生涯と作品にまつわる資料を展示する施設です。記念館は、かつて吉川英治が暮らした旧宅跡に位置し、彼の思想や創作活動に触れることができる貴重な場所となっています。

歴史

吉川英治記念館は、1977年（昭和52年）に公益財団法人吉川英治国民文化振興会によって開設されました。しかし、来館者数の減少により2019年（平成31年）3月に一時閉館。その後、財団から青梅市へ土地や建物、約11400点に及ぶ資料が寄贈され、青梅市が事業主体となり「青梅市吉川英治記念館」として2020年（令和2年）9月に再開館しました。

観光資源としての活用

再開館にあたり、青梅市の浜中啓一市長は、記念館を単なる学術施設ではなく、観光資源として位置づけ、他の観光施設との連携を通じて来館者数を増やす方針を示しました。その一環として、市内の勝沼城跡や辛垣城跡などの御城印を配布するなど、集客のための取り組みが行われています。

施設

記念館の敷地内には、長屋門、母屋、離れ（書斎）、土蔵、資料館などの建物が点在しています。特に、資料館は著名な建築家・谷口吉郎の設計によるもので、1976年（昭和51年）に竣工しました。吉川英治は、戦時中の疎開のため1944年（昭和19年）から1953年（昭和28年）にかけてこの地に居住し、居宅を「草思堂」と名付けました。

登録有形文化財

旧吉川英治邸（草思堂）は、その歴史的・文化的価値が認められ、2023年（令和5年）2月27日付の官報で国の登録有形文化財（建造物）として登録されました。

吉川英治記念館は、吉川英治の文学世界に浸るだけでなく、彼の生きた時代や生活を知ることができる貴重な場所です。文学ファンはもちろん、歴史や文化に興味のある方にとっても、訪れる価値のあるスポットと言えるでしょう。


外部リンク
青梅市吉川英治記念館
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