吉野杉

吉野杉は、奈良県中南部の吉野林業地帯（主に川上村、東吉野村、黒滝村）を産地とする、日本を代表するブランド杉の一つです。日本三大美林にも数えられ、その品質の高さから高級ブランド材として広く知られています。

特徴

吉野杉は、他の杉と比べて以下の点で特徴があります。

密植と間伐: 江戸時代から昭和初期にかけて酒樽の生産が盛んだった頃、吉野杉は1ヘクタールあたり8,000本から10,000本という超密植で植えられました。その後、弱度の間伐を何度も繰り返すことで、年輪幅が狭く、均一で美しい木目が形成されます。
長伐期: 吉野杉は、通常よりも長い期間をかけて育てられます。この長伐期によって、木材の密度が高まり、強度が増します。
葉枯らし乾燥: 伐採後、すぐに森から搬出せずに「葉枯らし」という乾燥処置を半年程度行います。これにより、木材の含水率が自然に低下し、乾燥による割れや歪みを防ぎます。
美しい木目と色艶: 密植と間伐、長伐期、葉枯らし乾燥といった独特の育成方法により、吉野杉は年輪幅が狭く、完満直通で無節、色目の良い美しい木目を持ちます。

用途

吉野杉はその美しい木目と品質の高さから、様々な用途に用いられています。

建築材: 柱、梁、天井板、床板など、住宅の構造材や内装材として使用されます。特に、その美しい木目は和風建築に最適です。
家具材: タンス、机、椅子など、高級家具の材料としても使用されます。ただし、楢や桜と比較すると軽く、乾燥によって割れたり歪んだりしやすい性質があるため、高級家具よりも身の回りの品に使われることが多いです。
工芸品: 桶、樽、建具など、伝統的な工芸品の材料としても使用されます。
その他: 酒樽、経木、割箸など、様々な用途に用いられています。

その他

吉野杉が育つ「250年の森」は、代々間伐を続けて育てられてきた美しい森林であり、森林セラピーのスポットとしても人気を集めています。森林浴やハイキングなどを楽しむことができ、心身のリフレッシュに最適です。

外部リンク

* 吉野中央森林組合

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