名古屋飛ばし

名古屋飛ばしとは

名古屋飛ばし（なごやとばし）とは、日本国内で行われるイベントが愛知県名古屋市やその周辺地域で開催されないことを指す俗語です。この現象は、1980年代に著名なアーティストが名古屋で公演を行わなかったことから始まりました。その後、1992年に東海道新幹線の「のぞみ301号」が名古屋駅を通過するようになったことで、再度報道の注目を集めました。

名古屋飛ばしの始まり

この言葉の起源は、1980年代に遡ります。特に、マドンナやマイケル・ジャクソンといった世界的な歌手が日本に訪れた際、名古屋での公演が実施されなかったことから、「名古屋飛ばし」という言葉が広まりました。特に、名古屋の音楽ファンには強い印象を残す出来事でした。その後、1992年に新幹線の「のぞみ301号」が名古屋駅を通過することが決まり、これがさらにこの言葉の認知度を高めました。

鉄道と名古屋飛ばし

「のぞみ301号」が名古屋駅をスルーするダイヤが発表されたのは、1991年の11月のことでした。当初の目的は新横浜駅を停車駅とすることにあり、早朝に東京方面に向かう乗客の便宜を考慮した結果と言えます。しかし、このことが名古屋市民の間で大きな不満を生む原因となりました。名古屋を経由しない新幹線の運行は、名古屋市の存在感を薄くし、観光需要の低下につながるとされました。

インバウンド需要への影響

2024年2月29日に観光庁が発表したデータによると、外国人旅行客数が東京都、大阪府、京都府、福岡県ではコロナ前の数字を上回っている一方で、愛知県は6割以下にとどまっていることが明らかになりました。この状況を背景に、名古屋におけるインバウンド需要の低迷が「名古屋飛ばし」と呼ばれる現象に関連しているという指摘もあります。新聞報道では、「インバウンドまで名古屋飛ばし」として、その魅力をもっと広める必要があるとの声が上がっています。

名古屋でのイベントの減少

名古屋では、首都圏や京阪神地域で盛大に行われるイベントに対して、なぜ名古屋だけがその流れに乗れていないのかという疑問が日増しに高まっています。愛知厚生年金会館や愛知県勤労会館の閉鎖に対する冷淡な反応も、名古屋市や地元財界への批判を引き起こしました。結果、コンサートが名古屋で行われなくなる事例が増え、従来の利用者は他の地域の施設へ移転する動きも見られています。

コロナ時代の名古屋飛ばし

新型コロナウイルス感染症の影響により、緊急事態宣言が発令された際、愛知県がその対象から外れたことに対しても「名古屋飛ばし」と呼ばれることがありましたが、これは本来の意味とは異なる使われ方です。このように、名古屋飛ばしはさまざまな文化的、経済的要因によって形成されてきた現象です。

このように名古屋飛ばしは、単なる一時的な現象ではなく、名古屋市の文化と経済に深い影響を与える問題として、今後も注目され続けるでしょう。

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