咬筋

咬筋（こうきん）について

咬筋は、咀嚼運動を行う上で非常に重要な骨格筋の一つです。ここでは、咬筋の構造、機能、そして咬筋が過剰に発達した場合の影響について詳しく解説します。

咬筋の構造

咬筋は、浅部と深部の二つの部分に分かれています。

浅部: 頬骨弓の前方2/3を起始とし、下顎骨の咬筋粗面下部に停止します。
深部: 頬骨弓の後方2/3を起始とし、下顎骨の咬筋粗面上部に停止します。

これらの起始と停止の位置関係により、咬筋が収縮することで下顎骨が上方向に引き上げられ、咬むという動作が可能になります。

神経支配

咬筋は、第V脳神経である三叉神経の下顎神経から分岐する咬筋神経によって支配されています。この神経が正常に機能することで、咬筋は意識的な制御のもとで収縮し、咀嚼運動を円滑に行うことができます。

咬筋の機能

咬筋の主な機能は、下顎骨を上方に引き上げて上下の歯を噛み合わせることです。食べ物を咀嚼する際には、咬筋が収縮と弛緩を繰り返すことで、食物を細かく砕き、消化しやすい状態にします。また、発音や表情の形成にもわずかながら関与しています。

咬筋の過剰発達

通常、咬筋は必要な時にだけ収縮しますが、常に上下の歯を噛み合わせているような状態が続くと、咬筋に過剰な負荷がかかり、発達を促してしまうことがあります。このような咬筋の過剰発達は、以下のような影響を及ぼす可能性があります。

顔が大きく見える: 咬筋が発達すると、エラのあたりが張り出して顔が大きく見えることがあります。特に女性にとっては、顔の輪郭が気になる原因となることがあります。
肩こりや頭痛: 咬筋の緊張が続くと、周囲の筋肉にも影響が及び、肩こりや頭痛を引き起こすことがあります。
顎関節症: 咬筋の過剰な緊張は、顎関節に負担をかけ、顎関節症の原因となることがあります。

咬筋と関連する項目

咀嚼
解剖学
口腔解剖学
* 人間の筋肉の一覧

まとめ

咬筋は、咀嚼という生命維持に不可欠な機能において重要な役割を担っています。しかし、その過剰な発達は、美容面だけでなく健康面にも影響を及ぼす可能性があります。日頃から、歯を食いしばる癖がないか、無意識に歯を噛み合わせていないかなど、自分の習慣を意識し、必要であれば専門家への相談を検討することが大切です。

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