唐津くんち

唐津くんちについて

唐津くんち（からつくんち）は、佐賀県唐津市に位置する唐津神社の秋季例大祭です。この祭りは、平成27年にユネスコの無形文化遺産として登録されるほど、その文化的価値が認識されています。

祭りの特色

祭りでは、乾漆で製作された豪華な曳山が、笛や太鼓、鐘の音に合わせて巡行します。「エンヤ、エンヤ」「ヨイサ、ヨイサ」といった掛け声をかけながら、多くの曳き子たちが曳山を引きます。祭りの期間中には、約50万人以上の来場者が訪れることもあり、その賑わいは圧巻です。

曳山は佐賀県の重要有形民俗文化財及び、「唐津くんちの曳山行事」として国の重要無形民俗文化財に指定されています。これらの万力は、現代の制作費にして1〜2億円とも言われる豪華な工芸品です。

祭りの由来と歴史

唐津くんちの起源は寛文年間（1661年から1673年）に遡り、神輿の御神幸が始まったと伝えられています。その後、曳山が祭りに加わったのは1819年のことです。これ以降、曳山は徐々に増えていき、明治9年までに合計15台が製作されましたが、現在は14台が残っています。この中に含まれる曳山の一つは、過去に消失してしまいました。

本来の「くんち」は、旧暦に基づいたものでしたが、時代の経過とともに新暦に合わせた日程に変更されていきました。特に、昭和43年には休日を考慮して本祭の日取りが変更されました。この結果、現在では11月2日から3日間にわたって「唐津くんち」が行われるようになりました。

祭りのスケジュール

日本の秋を彩る唐津くんちは、以下のような公式行事で構成されています。

• - 10月9日 - 初くんち：各町の曳山囃子を神前に奉納し、祭りの始まりを宣言します。
• - 10月29日 - 本殿祭：唐津神社の神輿が飾り付けられ、豊作への感謝が表されます。
• - 11月2日 - 宵曳山：多くの提灯に飾られた曳山が市内を巡行します。
• - 11月3日 - 神幸祭：祭りのハイライトとして曳山が市内を巡行し、御神輿が移動します。
• - 11月4日 - 翌日祭：曳山が神社前に再集合し、ゆっくりと巡行が行われます。

曳山制作の技術

曳山は、伝統的な乾漆技法を用いて製作されます。まず粘土で型を作り、その上に和紙を重ねて成形します。さらに漆を重ね塗りし、金箔や銀箔で装飾されています。各曳山の詳細にはその造形やテーマが異なり、14町にそれぞれ異なる特徴があります。その中でも特に代表的なものは、赤獅子、青獅子、鯛、鳳凰丸などです。

曳子とその組織

曳子は、特有の装束で身を包み、その衣装は町ごとに異なります。14の町の曳子は、それぞれの地域コミュニティを通じて組織されており、祭りに誇りを持ち、後継者育成に注力しています。これにより年間を通じての活動や親睦強化が行われ、祭り自体の活力が保たれています。

特別な記録と言及

唐津くんちは歴史的にも多くの出来事を体験してきました。第二次世界大戦中、女性たちが曳山を引いたことや、1988年に昭和天皇の病気の際に祭りを行ったことは特筆すべきエピソードです。また、近年は新型コロナウイルスによる影響で祭りが中止されるなど、時代の変化にも影響を受けています。

まとめ

唐津くんちは、地域の人々と歴史が紡いだ豊かな文化の証です。祭りを通じて、地域の絆や伝統の重要性が再確認されており、今後もその魅力を多くの人々に伝えていきたいものです。

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