坂井直樹

坂井直樹:時代を彩るコンセプトの創造者



坂井直樹(さかい なおき)は、1947年京都府京都市に生まれたコンセプターです。京都市立芸術大学に入学後、アメリカへ渡り、サンフランシスコでTattoo Companyを設立し、刺青プリントTシャツの販売を手掛けました。帰国後はテキスタイルデザイナーとして活躍した後、1987年日産自動車から発売された「Be-1」のコンセプト企画で大きな成功を収め、その後、国内外の製品開発に携わるようになりました。

多岐にわたる活躍



坂井氏の活動は、自動車業界にとどまらず、auの外部デザインディレクターを務めるなど、幅広い分野に及びます。彼の創り出すコンセプトは、常に時代の先駆けであり、多くの人々に影響を与えてきました。

経歴



1947年 - 京都府京都市生まれ。
1966年 - 京都市立芸術大学入学後、渡米。
1968年 - サンフランシスコでTattoo Companyを設立。
1969年 - ヒッピーたちとTattooT-shirt(刺青プリントTシャツ)を販売し、大成功を収める。
1973年 - 帰国後、ウォータースタジオ社を設立。
1987年 - 日産自動車「Be-1」が発売。
2001年 - インターネットマーケティングを行うブランドデータバンク株式会社を設立。
2004年 - waterdesignscope社を設立。
2005年 - au design projectからコンセプトモデル「MACHINA」と「HEXAGON」の2機種を発表。
2006年 - au design projectからコンセプトモデル2機種「CYPRES/VOLS/KAOS」を発表。KDDIの社外デザインプロデューサーに就任。
2008年 - 慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス教授に就任。
2010年 - waterdesignscope社を株式会社waterdesignに社名変更。


代表的な作品



坂井氏が手がけた主な作品には、以下のようなものがあります。

日産自動車: 「Be-1」(1987年)、「パオ」(1989年)、「エスカルゴ」(1989年)、「ラシーン」(1994年)など、斬新なデザインの自動車を数多く企画。
オリンパス: 「o-product」(1988年)、「Ecru」(1991年)など、革新的なカメラデザイン。
セイコー: 「アスタリスク」(1988年)など、時計のデザイン。
サントリー: 「ジアス」(1990年)など、飲料のデザイン。
雪印乳業: 「アトリエ・コフレ」(1990年)など、乳製品のデザイン。
カネボウ化粧品: 「デナリ」(1990年)など、化粧品のデザイン。
沢の鶴: 「玉兎」(1991年)など、日本酒のデザイン。
シャープ: 「Hi8 TWINCAM VL-HX1-S」(1992年)など、家電のデザイン。
スズキ: 「SW-1」(1992年)など、オートバイのデザイン。
KDDIおよび沖縄セルラー電話のau携帯電話 (au design project): 「HEXAGON」(2005年)、「MACHINA」(2005年)、「DRAPE(W46T)」(2006年)など、斬新なデザインの携帯電話
その他: カッシーナ「BOOMERANG」(2000年)、大塚国際美術館ロゴマーク(2006年)、日本コカコーラ「ジョージアノベルティ・ワンセグテレビ」(2006年)、東京ガス「ピピッとコンロ」(2006年)、アルフレックス「AUN(あうん)」(2006年)、東レ「トレビーノアクアマイスター」(2007年)など、多岐にわたるデザインを手がけています。

著書



坂井氏は、デザインに関する多くの著書も執筆しています。これらの著書を通じて、デザインの概念やプロセスについて深く考察しています。

『今日、息子が死んだ』(英治出版、2007年6月)
『デザインの深読み』(トランスワールドジャパン 2007年12月)
『デザインのたくらみ』(トランスワールドジャパン 2005年12月)
『エモーショナル・プログラム バイブル』(英治出版、2002年6月)
『自分探しのブランドブック』(かんき出版 2001年12月)
『創業人のススメ』(徳間文庫 1997年2月)
『大世紀末コンセプト・ノート』(東急エージェンシー出版部 1996年3月)
『未来からのモノづくり』(かんき出版 1995年10月)
『恋愛品態マーケティング論』(かんき出版 1992年9月)
『魅力創造のレシピ』(北山孝雄との共著)(史輝出版 1991年12月)
『コンセプトメーキング私の方法』(産能大学出版部 1991年4月)
『コンセプト気分の時代』(かんき出版 1990年4月)


坂井直樹は、単にモノをデザインするだけでなく、その背後にあるコンセプトを深く掘り下げ、時代を映し出す革新的な製品を数多く生み出してきました。彼のデザイン哲学は、今後も多くのデザイナーやクリエイターに影響を与え続けるでしょう。

外部リンク



コンセプター坂井直樹の"デザインの深読み" - ウェイバックマシン
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