坂口恭平

坂口 恭平の人物と業績

坂口恭平（さかぐち きょうへい）は1978年に熊本県で生まれた、著名な建築家、作家、アーティストです。彼は教育や芸術を通じて社会に対する独自の視点を提供し続けています。

略歴

坂口は幼少期を熊本県で過ごし、その後福岡県に転居しましたが、これもまた熊本市に戻ることとなります。彼は熊本市立の日吉小学校、そして城南中学校を経て熊本県立熊本高等学校に進学。高校時代に早稲田大学の教授である石山修武の影響を受けて建築の道を志しました。2001年に早稲田大学理工学部建築学科を卒業し、卒論では路上生活者の住居についての調査を行います。この研究は後に『0円ハウス』（2004年）という写真集としてまとめられ、フィールドワークを基にした著作活動を開始しました。

2007年にはケニアのナイロビで開催された世界会議フォーラムに参加し、「Kibera Bicycle」というアート作品を展示しました。これに続いて、カナダのバンフでも「0円ハウス」の展示を行います。さらに、坂口は2009年に自身の研究機関である坂口恭平研究所を設立し、翌年には私塾「零塾」を開設しました。

2012年にはワタリウム美術館で「坂口恭平 新政府展」を開催し、2023年には熊本市現代美術館で「坂口恭平日記」が展覧されました。

文学活動

坂口の文学的側面も注目すべき点です。2013年には第2回吉阪隆正賞を受賞し、続いて2014年には『幻年時代』が第35回熊日出版文化賞を受賞。彼の作品は多くの賞にノミネートされ、特に『徘徊タクシー』は三島由紀夫賞の候補にも挙がりました。2016年には『家族の哲学』で第57回熊日文学賞を受賞しています。

坂口は自身が躁鬱病であることを公表し、自殺予防に向けて「いのっちの電話」を通じて支援活動を行っています。この活動は、苦痛を抱える人々との対話を続けることを目的としています。

影響を受けた人物

学生時代には都築響一や赤瀬川原平の作品から影響を受け、自らの創作活動に活かす姿勢が見られます。また、彼の身元を守るためにウィキペディアという公共の場への電話番号掲載についても、彼自身の信念を貫き、合意の元で実現しました。

主な著作

坂口の著作には『0円ハウス』や『家族の哲学』といった作品があり、その多様性も魅力のひとつです。さらに、小説やエッセイ、実用書など多岐にわたるジャンルで執筆を行い、読者の共感を呼んでいます。

彼はまた、アートや映画などのメディアでも表現活動を展開し、特に「貯水タンクに棲む」や「移住ライダー」といった作品で監督を務めたり、脚本を手掛けたりしています。

坂口恭平は、建築、文学、そしてアートを通して社会に様々な提言を行うアーティストとして、今後の動向にも注目が集まります。彼のユニークな視点やクリエイティブな活動は、多くの人々に影響を与え続けているのです。

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