埼玉県立自然の博物館

埼玉県立自然の博物館

埼玉県立自然の博物館は、埼玉県秩父郡長瀞町に位置する博物館で、自然史に特化した唯一の施設です。90年以上の歴史を持ち、地域の自然やその成り立ちに関する貴重な展示を行っています。この博物館はもともと秩父鉄道株式会社が設立した「秩父鉱物植物標本陳列所」の流れをくんでおり、長い歴史を有する指定博物館として、東京の国立科学博物館に次ぐ貴重な存在です。

沿革

1921年に設立された「秩父植物鉱物標本陳列所」が博物館の前身であり、当初は植物や鉱物の標本を展示していました。1949年に館名が「秩父自然科学博物館」に改名され、1979年には一時閉館。その後、1981年に埼玉県が管理を引き継ぎ、現在の「埼玉県立自然史博物館」としてオープンしました。

博物館の設計は著名な建築家、前川國男によるものです。また、1993年には、日本地質学会の100周年を祝し、地質学の発祥地を示す碑が設立され、地域の重要性が増しました。2006年には名称が「埼玉県立自然の博物館」に変更され、さらなる発展が図られました。

2011年から2012年にかけての改修工事を経て、リフレッシュオープンを果たし、新たに展示内容が充実しました。2016年には、所蔵する9件の化石が国の天然記念物に指定されるなど、その価値が再認識されています。

展示内容

博物館では、埼玉県深谷市から発見された73本のカルカロドンメガロドンの歯化石や、秩父市で見つかったパレオパラドキシア化石、狭山市のアケボノゾウ化石など、地域特有の貴重な生物の化石が展示されています。特に、パレオパラドキシアやチチブクジラの化石は、多くの来場者の目を引く注目のコレクションです。

1階にはオリエンテーションホール、地学展示ホール、生物展示ホールがあり、様々な自然の展示が行われています。2階には企画展示室があり、3ヶ月ごとに新しいテーマの企画展示が行われています。2017年からは常設展示が一部改修され、より魅力的な展示が追加されました。

所蔵資料

施設内には、地質資料、植物資料、動物資料が豊富に揃い、計158,191点の資料が保管されています。これにより、学術研究や教育活動にも貢献しています。

国の天然記念物

当博物館が所蔵する化石群は、すべて国の天然記念物に指定されています。国の貴重な文化財として、地域の自然環境や歴史的価値を伝える大切な資源となっています。

学芸員・研究活動

博物館では、土壌動物学や昆虫学、植物学、地質学など、様々な専門分野を持つ学芸員が在籍し、研究を通じて地域の自然の理解を深めています。彼らの活動により、多様な視点から自然の魅力が探求され、さらなる発展が期待されています。

このように、埼玉県立自然の博物館は自然史に基づいた独自の展示や研究を実施し、地域の自然環境保護や教育に寄与しています。

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