大和製作所

大和製作所は、香川県に本社を置く日本の製麺機メーカーです。うどん、ラーメン、蕎麦など、様々な麺の製麺機を製造・販売しており、特に小型製麺機の分野では国内トップシェアを誇ります。

創業と発展

1975年に創業者の藤井薫氏によって設立されました。藤井氏は川崎重工業で航空機設計に携わった後、故郷の香川県に戻り、機械設計会社を設立。オイルショックを機に製麺機の製造に乗り出しました。当初は一時しのぎの仕事でしたが、手打ち麺の技術を機械で再現することに情熱を注ぎ、技術革新を重ねました。

その結果、開発されたうどん製麺機「真打」は、全国展開するチェーン店にも採用されるほどのヒット商品となりました。その後、ラーメン製麺機やそば製麺機も開発し、麺の種類に合わせた機械を提供しています。

製麺機へのこだわり

大和製作所の製麺機は、ミキサーからカッターまでの一連の工程を一台でこなせる一体化された設計が特徴です。100V電源で稼働し、操作性にも優れているため、多くの麺店で利用されています。全国展開している丸亀製麺でも、大和製作所の製麺機が導入されています。

麺研究と商品開発

同社は製麺機だけでなく、麺そのものの研究にも力を入れています。「麺研究所」を設立し、麺の特性や製法に関する研究成果を製麺機の開発に活かしています。また、麺の素材である塩にも着目し、自然海塩「46億年」を開発。中小企業創造法の認定も受けています。

麺学校と開業支援

藤井氏は、製麺機の販売を通じて得た知識を基に「うどん学校」を開校し、麺店の開業・運営を支援しています。うどん、ラーメン、蕎麦の各学校では、実技指導に加えて経営に関する講義も行い、開業希望者を育成しています。この開業支援事業は、香川県の経営革新法にも認定されています。

グローバル展開

大和製作所は、国内だけでなく海外展開も積極的に進めています。ソウルに営業所を構えるほか、東南アジアやアメリカなど、世界各地に製品を輸出しています。

メディア紹介

大和製作所は、その革新的な取り組みが多くのメディアに取り上げられています。ワールドビジネスサテライト、ルソンの壺、カンブリア宮殿など、様々な番組で紹介され、注目を集めています。

関連書籍

代表取締役である藤井薫氏が執筆した書籍も多数出版されています。これらの書籍では、麺店経営のノウハウや大和製作所の経営哲学が紹介されており、業界関係者から支持されています。

『図解 不況でも繁盛するラーメン・うどん・そば店の教科書』(秀和システム)
『トップになりたきゃ、競争するな なぜ、業界最後発企業が世界にとびだすまでに成長できたのか』(こう書房)
『情熱 世界の麺を変える男の心得67』(KADOKAWA)
『金儲けを目指さない店だけが繁盛する 麺専門店が成功する、最もシンプルな経営哲学』(ダイヤモンド社)

大和製作所は、製麺機の製造・販売だけでなく、麺文化の発展に貢献する企業として、国内外で高い評価を得ています。

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