大和製罐

大和製罐株式会社の概要

大和製罐株式会社（だいわせいかん）は、東京都千代田区に本社を置く日本の製缶業者で、業界の中でも2位の規模を誇っています。1939年に大阪府で設立されたこの会社は、当初「大阪コルク工業」という名称でしたが、1953年に現在の商号へと変わりました。

歴史の歩み

大和製罐は1940年代後半から1950年代にかけて自動製缶機の導入により食缶製造事業に着手しました。1956年には清水工場を新たに建設し、1965年には九州製罐との合併を果たし、事業を拡大しました。特筆すべきは、1969年に世界初のコーヒー飲料缶の商業生産を開始したことで、これは業界において画期的な出来事となりました。

2000年には、革新的な技術を用いて開発した「ニューボトル缶」が、技術展覧会「キャネックス2000」でグランプリを受賞しています。これにより、大和製罐のブランド価値は一層高まりました。

経営の変遷と課題

一方で、2014年には、グループ会社の新日本工機が海外事業での損失や航空機関連の受注減により、約54億円の巨額損失を計上しました。翌年の2015年3月期には、さらに約144億円の追加損失が発生し、大和製罐本体でも約867億円の当期純損失を記録しました。これにより、グループ全体での赤字は1000億円を超え、信用不安が広がることになりました。

2016年には、最終利益を確保したものの、子会社の整理を進め、タイのYMPプレス＆ダイとのビジネスリハビリテーションや、新日本工機の台湾の友嘉実業集団への売却など、厳しい経営環境を乗り越えるための措置が相次ぎました。

新たな挑戦

介護食事業にも進出し、2014年には「エバースマイル」を発売し、注目を集めました。さらに、2017年4月には公正取引委員会から立ち入り検査を受ける事態に直面しました。これは、缶詰用食品缶の取引について競争法に違反した可能性があるとしてのもので、他の缶製造会社との営業活動に関する注意喚起を受けたことが背景にあります。

主な関連会社

大和製罐は複数の関連会社を持っており、それには大和エンジニアリング、大和サービス、大和千葉製缶、大和容器、日本デキシー、ベルポリエステルプロダクツ、モンデ酒造、三和缶詰などがあります。これらの企業は、大和製罐の製品やサービスを支える重要な役割を果たしています。

まとめ

大和製罐株式会社は、長い歴史を持ち、高品質な製品を提供することで知られています。しかし、経営上の課題や市場の変化に適応しながら成長を続けることが求められています。今後の展開に期待が寄せられます。

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