大腿筋

大腿筋について

大腿筋とは、大腿部（太もも）に存在する筋肉の総称です。これらの筋肉は、歩行、走行、跳躍といった基本的な動作から、姿勢の維持、膝関節の安定化まで、幅広い役割を担っています。

大腿筋を構成する主な筋肉

以下に、大腿筋を構成する主要な筋肉について解説します。

1. 縫工筋（Sartorius muscle）:
大腿部の前面を斜めに走行する細長い筋肉です。
股関節と膝関節の両方をまたぎ、股関節の屈曲・外転・外旋、膝関節の屈曲・内旋に作用します。
足を組む動作などに関与します。

2. 大腿四頭筋（Quadriceps femoris muscle）:
大腿部の前面全体を覆う大きな筋肉群で、以下の4つの筋肉から構成されます。
大腿直筋（Rectus femoris muscle）:
大腿四頭筋の中で唯一、股関節をまたぐ筋肉です。
膝関節の伸展と股関節の屈曲に作用します。
内側広筋（Vastus medialis muscle）:
大腿部の内側に位置し、膝関節の伸展に作用します。
外側広筋（Vastus lateralis muscle）:
大腿部の外側に位置し、膝関節の伸展に作用します。
中間広筋（Vastus intermedius muscle）:
大腿直筋の深層に位置し、膝関節の伸展に作用します。
大腿四頭筋は、膝関節を伸展させる最も重要な筋肉であり、歩行や走行において推進力を生み出す上で不可欠です。

3. 膝関節筋（Articularis genus muscle）:
大腿骨下端に位置し、膝関節包を引き上げる作用があります。
膝関節の円滑な動きをサポートします。

4. 大腿二頭筋（Biceps femoris muscle）:
大腿部の後面外側に位置し、坐骨結節から腓骨頭にかけて走行します。
膝関節の屈曲と股関節の伸展に作用します。
長頭と短頭の2つの頭を持ちます。

5. 半腱様筋（Semitendinosus muscle）:
大腿部の後面内側に位置し、坐骨結節から脛骨粗面にかけて走行します。
膝関節の屈曲、股関節の伸展、膝関節の内旋に作用します。

6. 半膜様筋（Semimembranosus muscle）:
大腿部の後面内側に位置し、坐骨結節から脛骨内側顆にかけて走行します。
膝関節の屈曲、股関節の伸展、膝関節の内旋に作用します。
半腱様筋の深層に位置します。

大腿筋群の重要性

大腿筋群は、日常生活における様々な動作において重要な役割を果たしています。これらの筋肉を鍛えることで、運動能力の向上、膝関節の安定化、怪我の予防などが期待できます。バランスの取れたトレーニングと適切なケアが重要です。

関連項目

大腿
解剖学
* 人間の筋肉の一覧

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