大野まりな

大野まりな：多才な声優、歌手、音響監督の足跡

大野まりな（おおの まりな、1972年4月5日 - ）は、日本の声優、元歌手、音響監督として知られています。Honey Rushに所属し、2020年には「まりな りな」に改名しましたが、2022年12月9日に旧芸名に戻しました。過去には青二プロダクション、TABプロダクション、アトリエピーチに所属していました。

幼少期から芸能界へ

5歳まで東京で過ごした後、父親を亡くし、母親の実家である広島へ移り住みました。幼い頃から琴を習い、音楽的な才能を育む中で、「歌を歌いたい」という夢を強く抱くようになりました。祖母が芸能界を目指していたものの果たせなかった夢を叶えるため、14歳で自らコンテストに応募するようになったのです。

1988年にはテレビ東京の『ミス・エクボ堂コンテスト』でグランプリを獲得し、同番組のレギュラーを務めながら、アイドル雑誌の音楽祭でも数々の賞を受賞しました。1989年10月には広島での『海と島の博覧会・美少女コンテスト』で優勝し、本格的に芸能活動を開始するため上京しました。

アイドル冬の時代とグラビア活動

度重なるデビューの話が頓挫する中で、乙女塾一期生やモモコクラブのメンバーとしてテレビに出演しながら歌手を目指すことになりました。しかし、1990年代に入るとアイドル歌謡が衰退し、歌手としての活動は困難を極めました。そのような状況下で、大野は歌手活動へのステップとして、ヌードを含むグラビア活動を決意します。

家族の理解を得て、1993年にスコラでデビュー。ヌードアイドル（ヌードル）として高い評価を受け、数々の写真集や雑誌連載をこなしました。映画やドラマへの出演、ラジオパーソナリティなども務めましたが、歌の仕事にはなかなか恵まれませんでした。

声優への転身と成功

青二プロダクションのマネージャーから「声優になれば歌が歌える」と聞き、声優への転身を決意。大野まりなと改名し、青二プロダクションへ移籍しました。アイドル声優が人気を集め始めた頃であり、声優としての活動を始めてからわずか3ヶ月で歌手デビューの夢を叶えることができました。

声優としては全くの未経験でしたが、アイドル時代の経験から、どんなに厳しく指導されてもへこたれず、熱心に仕事に取り組みました。1995年にはPC-FXのイメージキャラクターに抜擢され、アニメフリークFXに出演。年末にはラジオ・声優グランプリのメインパーソナリティを担当し、1997年には「リカちゃん電話」の2代目リカちゃん役に選ばれました。

美少女ゲーム声優としての活躍と後進育成

1999年に初のアルバムを発売しましたが、過去のヌードグラビア活動が報道されたことで降板。その後、事務所を移籍し、美少女ゲームへの出演を開始しました。2002年発売の『妹でいこう!』で初の美少女ゲーム作品に出演し、主題歌も担当。以降、美少女ゲームの主題歌を数多く歌い、萌えソング（電波ソング）の代表的な歌手の一人として知られるようになりました。

成人向け作品では別名義で活動する声優が多い中、大野は顔出しで活動し、その異色の経歴とともに業界で独自の地位を築きました。自身の経験から、美少女ゲームの演技を教える専門講座の必要性を感じ、アトリエピーチの顧問として新人声優の指導にも力を注ぎました。

引退、そして復帰

2019年12月31日に引退しましたが、2020年1月1日より「まりな りな」として活動を再開。Honey Rushに所属し、音響監督を中心に活動しながら声優も続けていましたが、2022年12月9日に旧芸名の大野まりなに戻しました。

人物像

えくぼが特徴的な顔立ちで、精神的にタフな一面を持っています。声優としてはツインテールの髪型がトレードマークで、生涯貫き通すと宣言しています。琴、編み物、ガーデニングなど、多趣味であり、インコをこよなく愛する一面も持っています。声優としては常に初心を忘れず挑戦し、歌手としては自分を解放できることを楽しんでいます。

エピソード

芸能界で世話になった梨元勝を父親のように慕っており、ヌードグラビア活動が報道された際にも励ましの言葉を送られました。幼稚園の頃には、レストランで歌って客から喝采を浴び、夕食を提供する代わりに毎日歌うことになったというエピソードも持っています。

大野まりなは、声優、歌手、音響監督として、その多才な才能を発揮し、多くのファンを魅了し続けています。

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